卒業論文詳細

学科社会福祉学科 ゼミ教員名野村 裕美 年度2025年度
タイトル地方での有効なアルコール依存症ネットワーク構築の検討
内容 本研究は ,アルコール依存症を抱える当事者及び家族が ,地域で自分らしく生活していくために必要な要素である ,支援ネットワークの構築について検討を行ったものである.
地域に潜在するアルコール依存症患者の多くは ,いまだ専門医療に繋がることができていない.そのため ,専門医療機関以外の医療スタッフや地域の支援者 ,アルコール依存症当事者や家族が ,ネットワークを活用し回復の道を歩むことが重要となる.本研究では ,アルコール依存症支援ネットワークとして全国に先駆けて実践された ,三重モデルおよび大阪方式を整理し ,効果的なネットワーク構築の要素を抽出した.その上で ,地域資源が限られている地方部における ,依存症ネットワーク構築の示唆を得るため ,京都府綾部市にて活動されている「あやのわ」に参加し ,参与観察とインタビュー調査を行った.地域資源が限られた土地ならではの困難も発見することができたが ,一方で ,他職種連携を行う上で重要な基盤になる「顔の見えやすい支援者チーム」の関係性が綾部市では醸成されていた.他職種・当事者・家族が協働してネットワークを形成する京都府綾部市での実践が ,都市部とは異なった形のネットワークとして ,地方における依存症支援の新たな方向性となると期待する.
講評 アルコール依存症の回復には、ネットワークの力が必要であることは理解しながら、人口減少の現実に直面する地方、過疎地域ではどのような回復モデルが可能となるのかに着目し、社会的にも臨床的にも新規性の高い研究論文にまとめることができた。特に、丁寧な先行研究を重ねた後に、実際に京都府北部にフィールドワークを実施し、回復者、家族、支援者とともにネットワーク活動に参加した経験から、論じることができた点は高い評価に値する。特に、リーダーシップを発揮して活動を展開している医療ソーシャルワーカーにインタビューを行い、支援者の立場からの問題把握とアクションへとつながる経緯を丁寧に聞き取り、記録として残すことができた。この聞き取りの記録は、今後過疎地域におけるネットワーク展開を企図するソーシャルワーカーらにとって重要な資料となることは間違いない。
キーワード1 アルコール依存症
キーワード2 三重モデル
キーワード3 大阪方式
キーワード4 あやのわ
キーワード5