卒業論文詳細

学科社会福祉学科 ゼミ教員名鈴木 良 年度2025年度
タイトル共同親権制度をめぐる国会審議と市民団体の主張に関する言説分析
内容 本研究は、2024年の民法改正で導入された離婚後共同親権について、国会審議と市民団体の主張を比較し、その特徴と主要な争点を明らかにすることを目的とする。共同親権は子どもの権利保障の観点から注目される一方、DV・虐待への対応や実務負担などの懸念も指摘されてきた。
検討に当たっては、2018年から2024年までの衆議院会議録を収集し、各政党の立場を四期に区分して整理した。また、公開された声明文をもとに、反対・賛成の市民団体の主張を内容面から分析した。
その結果、国会では「親子関係の維持」を重視する立場と、「子どもの安全確保」を優先する立場が政党によって分かれていた。市民団体では、反対が多数を占め、安全性や支援体制の不足を懸念する声が中心であった。賛成団体は非親権親との関係維持の意義を強調していた。
以上から、共同親権の核心は、賛否の対立ではなく「安全性」と「関係維持」をどう調整するかにあることが示された。
講評 本研究は、2018年から2024年までの衆議院会議録を収集し、各政党の立場を四期に区分して整理した上で、公開された声明文をもとに、反対・賛成の市民団体の主張を内容面から分析されています。この結果、国会では「親子関係の維持」を重視する立場と、「子どもの安全確保」を優先する立場が政党によって分かれていること。市民団体では、反対が多数を占め、安全性や支援体制の不足を懸念する声が中心であること。賛成団体は非親権親との関係維持の意義を強調していることが明らかにされています。これらの結果から、共同親権の核心は、賛否の対立ではなく「安全性」と「関係維持」をどう調整するかにあると結論づけられています。
このテーマは、2024年の民法改正で導入され前から、当制度の可否をめぐり、様々な政党や市民団体間で議論がなされてきました。こうした議論の内容について、国会審議の議論を分析対象としながら、丁寧に整理されています。時代区分を明確に区切り、言説を丁寧に分析している点に、本研究の意義があります。共同親権制度が日本社会に定着するかどうか、またどのような課題が生じるのかを考える上で、本研究の資料は有効な分析データを提示しています。
キーワード1 共同親権
キーワード2 国会審議
キーワード3 市民団体
キーワード4 言説分析
キーワード5