卒業論文詳細

学科社会福祉学科 ゼミ教員名郭 芳 年度2025年度
タイトル女性の非正規雇用の拡大と貧困リスク 〜賃金と年金を中心に〜
内容 日本では、バブル崩壊後の雇用構造変化により非正規雇用が増加し、その多くが女性に集中している。非正規雇用は低賃金であるうえ、昇給や社会保障が限定されやすく、結果として現役期だけでなく老後の所得にも影響を及ぼし、貧困リスクを高めている。本研究は、こうした格差の要因と制度上の課題を明らかにし、その改善策を検討することを、目的とした。考察の結果、女性の非正規雇用の拡大は、賃金格差と年金格差を通じて女性の経済的自立を阻害し、生涯にわたって貧困リスクを高める構造に繋がっていることを明らかとなった。また、現行の政策は一定の成果を示しているが、依然として課題は残されている。そのため、同一労働同一賃金の実効性強化、ならびに社会保険制度の再設計や最低保障年金の導入等、多層的かつ制度横断的な政策改革が必要であることを示した。こうした取り組みを通じて、雇用形態に関わらず公正な待遇と老後保障が確立されることで、女性の非正規雇用と貧困の問題は解消へ向かう可能性が示唆された。
講評 本研究は、女性に偏在する非正規雇用を、現役期のみならず老後にまで影響する年金という経済的不安の問題として位置づけ、雇用制度と社会保障制度の連関を丁寧に検討している。賃金格差や年金格差を通じた貧困リスクの構造を明らかにし、既存政策の成果と課題を整理した点は説得力がある。雇用形態に左右されない公正な処遇と保障の必要性を示した点に、本研究の意義が見いだされる。
キーワード1 非正規
キーワード2 女性
キーワード3 貧困
キーワード4 賃金
キーワード5 年金