| 学科 | 社会福祉学科 | ゼミ教員名 | 郭 芳 | 年度 | 2025年度 |
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| タイトル | 化学物質過敏症はなぜ適切な社会福祉支援を受けられないのか | ||||
| 内容 | 本研究では、微量の化学物質で重い症状が出る化学物質過敏症(MCS)が、日本の社会福祉制度からほとんど支援を受けられない現状および要因を明らかにすることを目的とする。MCSは診断基準の未整備により障害者手帳や障害年金の対象外とされてきた。その結果、縦割り行政と「身体・知的・精神」に限られた旧来の障害観、さらに自己責任的な文化の影響を受け、「制度の谷間」に置かれた見えにくい障害として、三重の排除を受けている。一方、ドイツや北米・北欧諸国では、環境要因による生活困難を障害として捉え、予防原則に基づいて香料使用の自粛や低化学物質環境整備などの制度化が進んでいる。そこで本研究では、MCSを社会モデルに基づく「社会的障害」と再定義し、支援センター設置、法的定義の拡張、労働・教育現場での合理的配慮の推進、さらに当事者の語りを尊重する実践の必要性を提案した。以上より、本論文は、「証明された苦しみ」だけでなく「理解されない苦しみ」をも包摂する福祉制度への転換の必要性を示した論文と言える。 |
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| 講評 | 本論文は、化学物質過敏症という見えにくい障害に着目し、日本の社会福祉制度が抱える構造的排除の問題を鋭く指摘した。診断基準や制度枠組みの限界を整理し、海外事例との比較を通じて社会モデルに基づく再定義を試みた点には独自性と説得力がある。「理解されない苦しみ」を包摂する福祉の在り方を提示した点が本論文の意義であり、高く評価できる。 |
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| キーワード1 | 障害者支援 |
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| キーワード2 | 障害者手帳 |
| キーワード3 | 社会的要因 |
| キーワード4 | 化学物質 |
| キーワード5 |