卒業論文詳細

学科社会福祉学科 ゼミ教員名MARTHA MENSENDIEK 年度2025年度
タイトル日本における「大麻問題」の一考察 〜ポルトガル、アメリカ、タイの事例を参考に〜
内容  日本では大麻に対して厳しい姿勢をとってきており、違反者に対しては厳罰を課して禁止してきた。しかし世界ではさまざまな方法で大麻の有効活用、共存の道を模索し始めている。海外で起きている大麻政策の事例を見ることで日本のこれからの大麻政策を考察していく際に大いに役に立つと考える。しかし日本は外国とは特異な文化、傾向を持っているためそのまま外国の政策を当てはめるのは最適ではないと思われる。ここでは日本の大麻問題の現状を再確認し、外国の状況と照らし合わせることで日本にとっての最善の道を考察する。本当に使用者を減らしたいのなら使用者に対しては厳罰ではなく、治療をすることが最適だと筆者は考える。厳罰は依存の最も大きな原因の一つである「孤立」を招き、さらに依存を加速させる。また、大麻は国際的にも医療的な有効性が認められ、他の危険薬物とは一線を画しているにも関わらず、いまだに他の薬物と一括りにし「ダメ絶対」キャンペーンを行うのは支持できないという結論に至った。
講評 大麻が日本では厳しく禁止され、覚醒剤と同様取り扱われていることに疑問をもち、海外との比較を通して日本の在り方を考察した。大麻の基本的な情報(成分の説明など)や、日本の法律、そして日本における利用状況を紹介したうえで、外国の例を取り上げ、3つの選択肢、すなわち、現状維持、合法化、非犯罪化のそれぞれのメリットとデメリットについて紹介しながら検討した。「ダメ絶対」といった厳罰中心である日本の現在の方針には疑問を持ち、ハームリダクションの概念に基づくアプローチを提唱した。丁寧な文献研究に加え、バザールカフェという現場でDARCに所属する当事者との交流を通して感じたことについても触れている。インタビュー調査などを用いて当事者の声をより反映できればより深められたという思いは残るが、厳罰ではなくDARCのように人とのつながりやリハビリテーションを大切にする「治療」というアプローチが必要という結論に至った。日本においてハームリダクションの考え方や大麻の医療的有用性の議論がこれからも必要であり、この論文はその検討に重要な示唆を与えている。
キーワード1 大麻
キーワード2 合法化
キーワード3 非犯罪化
キーワード4 ハームリダクション
キーワード5