卒業論文詳細

学科社会学科 ゼミ教員名板垣 竜太 年度2025年度
タイトル伝統産業に従事する女性の生活史 ―本場奄美大島紬の織工を例に―
内容 本場奄美大島紬は高級絹織物として歴史は古く、奄美群島の経済を支える基幹産業であった。従事者の多くは織工と呼ばれる女性であり、機織りをして家庭の生活を支える重要な役割を担った。これまでの研究では労働者としての立場や、経済的な貧しさに焦点が当てられがちで当時の織工の生活についての研究はあまり行われていなかった。本稿では、紬産業が盛んであった1970年代~1980年代の織工と現代の紬産業関係者計9名にインタビュー調査を行い、女性が経済的に家庭を支えていた当時の様子を明らかにするとともに、現代の織工の働き方と比較し考察した。織工の性格や労働環境、縦横のつながりの有無などが主に違いとして挙げられた。また、最盛期の織工たちの語りからは、家庭で働けたことで子どもとの時間を確保できたことが強調され、子どもとの時間に最大の価値を見出していたことがわかった。また、存続のために紬産業を無形文化財として保護する流れや、行政・製造者・消費者が一丸となって紬産業を盛り上げていく動きが必要になってくるといえる。
講評 奄美で年配の方々と話していると、かつては大島紬を織れば織るだけ収入があった、という話を耳にすることがよくある。妻の方が稼いでいた、という話を聞いたこともある。本論文は1970~80年代に大島紬の織工だった女性たちへのインタビューにもとづき、その生活史の一端を明らかにした。もっと掘り下げてほしいと思った箇所も多々あったが、奄美大島に通ってその経験を聴き取り、収入は不安定であっても、女性たちが子育てをしながら自ら時間を管理して機を織り相当の収入を得ていた経験を叙述するなど、貴重な語りを具体的に記録したことについては評価したい。
キーワード1 伝統産業
キーワード2 ライフヒストリー
キーワード3 女性
キーワード4
キーワード5