卒業論文詳細

学科社会学科 ゼミ教員名板垣 竜太 年度2025年度
タイトル地域サロンとの空間的・心理的距離が参加のスタイルに与える影響―NPO法人WAIKIを事例として
内容 近年、高齢者の社会活動の場として、地域の住民が自由に集い交流する地域サロンが全国的に広がっている。地域サロンの先行研究では参加者が一括りにされがちであるが、本論文は1つのサロンに拠点を置き、参加者間の参加スタイルの違いに注目する。調査対象となるのは大阪府吹田市にあるNPO法人WAIKIであり、参加者やスタッフへのインタビュー調査と参与観察を行った。高齢者向けマンションの中にあり、マンション入居者と地域住民が共に参加するというWAIKIの特殊性を活かして、サロンとの距離によって参加の仕方はどう異なるのかを中心的な問いとした。調査の結果、参加者間で2つの違いがみられた。1つ目は、興味のある活動に参加する興味志向と、人との交流が中心の活動を好む交流志向という違いである。マンション入居者は交流志向、地域住民は興味志向が多かったことから、地域サロンとの距離が参加する活動に影響を与えると考えた。2つ目は、個人の性格に起因する自己実現型と、ゆるやか型というサロンでの過ごし方の違いである。結論では、多様な参加者が共に楽しめる地域サロンの必要性を提言した。
講評 仕事や子育てを終えた高齢者が、外に出て他の人と活動をおこない続けることは、心身ともに健康に過ごすためにも、社会関係資本を形成するためにも、確かに望ましいことであろう。そのような活動の場も高齢者の多様なニーズに合わせて実にさまざまなものがあるが、本論文はそのなかで「地域サロン」に注目し、そこに通う利用者にとっての地域サロンの位置づけを研究した。1つの地域サロンの事例研究でありどこまで一般化できるか分からないという懸念はあるものの、利用者目線での具体的な調査から、空間的・心理的距離、交流志向/興味志向、自己実現型/ゆるやか型など、今後の汎用性のある分析枠組構築のためのヒントになる考え方を提示した点は評価したい。
キーワード1 高齢者
キーワード2 地域サロン
キーワード3 社会活動
キーワード4
キーワード5