卒業論文詳細

学科社会学科 ゼミ教員名板垣 竜太 年度2025年度
タイトル花の万博後の鶴見緑地 ――「公式利用」と「非公式利用」――
内容  1990年に開催された花の万博後、鶴見緑地は老朽化が進み、一時は「負の遺産」とも呼ばれる存在であった。しかし、指定管理者制度の導入により民間事業者が公園運営に携わるようになったことで、新たな施設整備やイベントが展開され、近年では公園の利用のされ方が大きく変化している。
 本論文では、「せせらぎマルシェ」・「PARK JAM」といったイベントによる公式利用、コスプレ撮影や廃墟的庭園の撮影やパルクールといった非公式利用の2つに着目し、公園の再生プロセスを検証した。鶴見緑地の管理者、イベント運営者、行政担当者、公園利用者へのインタビューの結果、鶴見緑地では民間主導の商業イベントが地域の日常に定着すると同時に、利用者自身が公園の価値を再解釈し、多様な使い方を生み出していることが明らかになった。指定管理者制度が導入された博覧会跡地であっても、博覧会が行われた公共空間が持続的に活用されるためには、空間の自由度とそれによる利用者の自発的な関わりが重要であると考えられる。これは、都市公園においても同じことがいえる。
講評 大阪の鶴見緑地で1990年に開催された「花の万博」が、その後、老朽化や廃墟化が進むなかで、どのような再生を遂げていったかを研究した論文である。この問いに、指定管理者へのインタビュー、イベントの参与観察や出展者・来場者らに対するインタビューなど、いくつもの切り口で答えていった点が特徴的である。特に管理者側が期待し想定していた「公式利用」だけでなく、コスプレ、廃墟探索、パルクールなどの「非公式利用」を含め、利用者がつくりあげていく側面から再生可能性について考えようとした点が興味深い。さらに考察が深められたらという部分はあるにせよ、鳴り物入りで大阪万博が開催されているときに書かれた論文だからこそ意義ある内容になったと評価できる。
キーワード1 博覧会跡地
キーワード2 都市公園
キーワード3 指定管理者制度
キーワード4
キーワード5