| 学科 | 社会学科 | ゼミ教員名 | 森 千香子・木戸 衛一 | 年度 | 2025年度 |
|---|---|---|---|---|---|
| タイトル | 気候危機への関心形成と行動変容 | ||||
| 内容 | 本論文は、深刻化する気候危機に対して、人々の関心をどのように高め、実際の行動変容へとつなげることが出来るのかを社会運動の観点から検討したものである。近年の異常気象や気温上昇を背景に、気候変動を「将来の問題」ではなく「現在進行形の危機」と捉える必要性を示した。さらに、新自由主義的な経済構造が環境破壊を助長してきた点を批判的に検討し、利益追求を優先する社会構造が人々の無関心や無力感を生んでいることを指摘する。加えて、日本における社会運動の歴史や事例を整理し、気候変動ストライキなどの現代型運動に着目した。環境運動経験者へのインタビュー調査を通じて、参加のきっかけや意識の変化を分析し、社会運動が気候危機への関心形成と行動変容を促す重要な媒介となりうる可能性を明らかにしている。また、社会運動からの視点だけでなく社会システムの視点からも指摘が生じていた。気候危機という莫大な課題に対して、関心形成の方法を包括的に指摘することが解決に向けての一歩になりえると考えた。 |
|---|
| 講評 | 欧州の若者の間では気候危機への関心が高く、社会運動や実践が活発に行われてきたが、それに対して日本は同じような状況にない。筆者は、このような状況は膨大な先行研究を読み込んで確認した上で、それにもかかわらず、気候危機に問題意識をもち、社会運動を広げていこうとする20代の若者に注目して、インタビュー調査を通して、その人たちが運動にかかわるようになった動機と過程、また実践の内容と戦略の一端を明らかにできたことは本研究の大きな成果である。先行研究の精査と丁寧な聞き取りによって得られた知見のなかでも、海外経験を有することが運動への参加につながっていることは興味深かった。一方、日本で気候問題に意識が高まらなかったり、そもそも社会運動に参加しにくい理由についてはさらに広い視点から検討する余地も残されている。 |
|---|
| キーワード1 | 気候危機 |
|---|---|
| キーワード2 | 環境運動 |
| キーワード3 | 新自由主義 |
| キーワード4 | 社会運動 |
| キーワード5 | 気候正義 |