| 学科 | 社会学科 | ゼミ教員名 | 森 千香子・木戸 衛一 | 年度 | 2025年度 |
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| タイトル | 「女給」の社会的イメージの変容について | ||||
| 内容 | 本論文は、大正期から昭和初期のカフェーで働いた「女給」の社会的イメージの変容を分析する。1911年に登場したカフェーは当初、西洋を模倣したモダンな文化サロンを目指したが、日本の社会構造と都市の男性の潜在的欲望により、性風俗を帯びた「特殊喫茶」へと変貌した。女給のイメージは、登場初期の「大正デモクラシー」の自由主義的な風潮のもと、近代的な職業婦人やアイドルといった「華やかな」憧れの対象だった。しかし、その後、カフェーにおける接待の性風俗化と、戦時体制による国家の「勤貯蓄」という理想道徳の強化により、女給は「社会の恥」「蔑視」の対象へと転落した。この変容は、脱亜入欧や男性の欲望といった社会の「憧れと欲望」が、国家道徳という「圧力と規範」に揉まれながら、特定の職業(女給)に激しくイメージを付与し、抑圧していった過程を示す。そして最後の章では、常に激しく社会からイメージを付与されてきた女給、を俯瞰しそして現代社会の接続する考察を述べたい。 |
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| 講評 | 今日では忘れられた感のある「女給」の存在を先行研究にもとづいて掘り起こし、そのイメージが大正期からどのように変化していったのかを考察した。急激な近代化が推し進められた時代に、欧米の文化・美学・価値観などの積極的な導入がジェンダーとむすびつくかたちで広がった「モダンガール」の流行に大きな影響を受けた「女給」の存在が、太平洋戦争に突入する形で敵視・蔑視されるようになったのが当然の帰結であったことが示された。近代化における西洋との関係、国家による規範形成がジェンダーと不可避的に結びつき、排除を生み出していたことが確認された。 |
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| キーワード1 | 女給 |
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| キーワード2 | 社会の色眼鏡 |
| キーワード3 | 社会の欲望と 圧力 |
| キーワード4 | |
| キーワード5 |