| 学科 | 社会学科 | ゼミ教員名 | 轡田 竜蔵 | 年度 | 2025年度 |
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| タイトル | 貧困と食の支援の在り方 ――フードバンクによる食料提供を受ける支援団体と利用者へのインタビュー調査を通して―― | ||||
| 内容 | 日本国内において、食べるものを十分に得られない人々が一定数存在する中、フードバンクという、余剰食品を収集し必要な個人や団体に食料を提供する取組みが広まっている。フードバンクには、食品ロスの削減とともに、困窮者を支援する社会政策的役割がある。国内では、取り扱い食品重量や件数など、数値の面で評価されているが、本研究では、利用者とフードバンクの間に立つ支援団体に着目して、食料提供の内実や食の支援の意味にせまった。調査では、京都市内に拠点を構える支援団体のスタッフを対象にしたインタビューの実施と、支援団体が行う活動の中で参与観察を行った。調査の結果、利用者への提供食料の内容は、利用者の属性に応じて、支援団体によって適切に変換されていることが分かった。また、フードバンクによる食の支援には、利用者にポジティブ感情を与える機会や支援団体と利用者の関係を構築する意味がある。あわせて、食料入手の機会保障につながり、福祉職員に好影響を与えることが明らかとなった。フードバンクと利用者の間に支援団体が立つことは、利用者へのスティグマの付与を回避し、社会性と社会参加という食の機能を有していた。 |
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| 講評 | フードバンクと利用者を繋ぐ支援団体の役割に着目し、食の支援を単なる物流ではなく「意味の交換」や「ケアの実践」として捉えた意欲作である。著者自身の参与観察に基づく支援の現場のリアリティの記述は厚い。分析視点として、支援団体を機能別に3類型化し、余剰食品がスタッフにより「贈り物」へと変換される過程を解明している。一方で、食の貧困を抱える当事者のリアリティを明らかにするという研究目的を達成するためには、調査対象者が在日外国人コミュニティに偏っている限界もある。フードバンク論を越えて、フードスタディーズと貧困研究の二つの理論的文脈と掛け合わせ、日本の生活困窮者にとっての食の貧困、さらには支援を受けることの質的意味を多角的に描き出せれば、本研究の社会的意義は鮮明になるだろう。 |
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| キーワード1 | 貧困 |
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| キーワード2 | 食の支援 |
| キーワード3 | フードバンク |
| キーワード4 | |
| キーワード5 |