| 学科 | 社会学科 | ゼミ教員名 | 轡田 竜蔵 | 年度 | 2025年度 |
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| タイトル | 均質化する地域社会における真正性の構築 ――ファスト風土世代の語りから読み解く滋賀のローカル性―― | ||||
| 内容 | 本研究は、ファスト風土化した環境で育ったZ世代が地域の真正性をどのように認識し、ローカルに関与しているのかを明らかにすることを目的とした。特に「ファスト風土が当たり前のまちで育った世代は、ローカルを感じるためにいかに行動するのか」という問いを設定した。調査は滋賀県在住の20~30代9名への半構造化インタビューである。滋賀県は京阪神のベッドタウンとしてロードサイド型商業施設が集積する一方、琵琶湖や歴史的資源も併存し、分析に適した地域である。結果として若者のローカル行動は四類型に整理された。すなわち、地域性への関心が薄い「無自覚型」、用途に応じて使い分ける「選択利用型」、記憶に基づき地域に関わる「情緒志向型」、文化的価値を探求する「文化志向型」である。重要な知見として、真正性認識の多様化、移動経験が地域認識を規定すること、世代間で真正性の基準が異なることが挙げられる。Z世代にとって真正性は「過去の喪失」ではなく「現在の中で再構築されるもの」として捉えられていた。 |
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| 講評 | 本論文は、三浦展の「ファスト風土」論を若者の現象学的経験へと転回させ、均質化空間での独自のリアリティ構築を解明した意欲作である。インタビューのサンプルサイズは多くないが、理論的示唆がある。真正性への志向性の有無を一元的に捉えず、4つのタイプに分けて捉えている点が興味深い。その一つ「情緒志向型」は若者がファスト風土を原風景として受容し、個人的物語を通じて「自分なりの本物」を見出す「実存的真正性」の様相であり、ファストとスローを使い分ける「選択利用型」も含め、当事者の語りからファスト風土化による「場所の喪失」論への反証となっている。こうした真正性に関する多角的洞察は、ファスト風土の存在感が大きい滋賀の開発やまちづくりに対し、どのような実践的意味を持つだろうか。 |
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| キーワード1 | ファスト風土 |
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| キーワード2 | 真正性 |
| キーワード3 | 地域アイデンティティ |
| キーワード4 | |
| キーワード5 |