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農家の減少が課題の農業界では、新規就農者の存在は極めて重要である。しかし親の営農継承ではなくゼロから始める「非親元就農者」にとっては、農地の取得・技術の習得・資金調達などの参入障壁が非常に高い。では、この厳しい環境下でも就農を目指す彼らのきっかけや目指す姿は何なのか。また親元就農と比較してどれほど困難なのか。これらを問いとし、非親元就農かつ現在自身で営農する7名を対象に、就農のきっかけからの農業観をワークスタイル・起業家・自然・食文化の4類型で整理して調査した。
結果として、就農に至るには単一のきっかけでは難しく、農に興味を持ったきっかけと前職を辞めたきっかけの2つの経験が併存しており非親元就農者の行動力の高さが特徴的であった。また参入障壁の突破にはネットワークの構築が重要であり、周囲の支援が非親元就農者を支えている。就農後には自営業者としての自覚が高まるとともに、社会的価値を生むコミュニティとして農業をとらえる意識の変化もみられ、行動力の高い非親元就農者の社会的影響力が明らかになった。これらから、非親元就農者を増やすには多様な農業観への寄り添いと「繋がり」の支援が重要だと考えられる。 |