卒業論文詳細

学科社会学科 ゼミ教員名轡田 竜蔵 年度2025年度
タイトル大学都市・京都における若者の地域移動と関係形成―地元を離れ京都に進学した若者のその後―
内容 学生の街・京都は多くの学生を全国から集めている一方で、卒業後は大半が京都を離れ東京や地元へ流出するという構造を持つ。しかし中には、京都に残る者、一度離れても戻る者、さらには居住地が京都でなくとも関係を維持する若者も存在する。本稿では、①地元を離れて京都へ進学した若者は、進学・就職・現在~将来の三つの局面において、どのような価値観・経験によって地域選択を行うのか。②その過程で、京都という「学生の街」は、若者の地域選択やその後の関係性にどのような影響を与えているのか。また、そのポテンシャルはどのような点で十分に活かされ、どのような点で活かしきれていないのか、という問いを設定し、7名の若者に半構造化インタビューを行った。その結果、若者の地域選択が一貫した志向ではなく、進学・就職・現在〜将来という各局面での経験や人間関係、キャリア観の変化に応じて段階的に再編成されるものであることを明らかにした。特に京都では、進学時の動機と就職時の選択が必ずしも連動せず、学生時代に形成される人的ネットワークが地域選択に強く影響する点、さらに離住した場合も関係人口としてのつながりがあることが確認された。
講評 本論文は、京都の「学生定着率の低さ」という課題に対し、定住か流出かの二元論を超え、「関係人口」の視点から若者の地域選択過程を質的に解明したものである。筆者は時間軸に伴って京都への愛着が変容する過程を分析するなかで、若者の地域選択が、異なる経験や人間関係の重なり合いから再構成される動的な過程である、と明快に示した。結論では、学生と地域をつなぐ偶発的な出会いの場の拡充や、卒業後も関わり続けられる仕組み作りによる関係人口の資産化を提示される。筆者が関わったフィールド以外にも、京都には学生と地域が有機的につながる界隈が多く存在する点について目配りしたい。そうすれば、学生街のポテンシャルを高める実践的研究として、筆者の主張はより具体的に裏付けられたものになるだろう。
キーワード1 京都
キーワード2 学生の街
キーワード3 居住地選択
キーワード4 関係人口
キーワード5