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人生100年とも言われる今日、物の再利用が流行している。筆者は、終活における物の処分のうち、手放した物を受け継いでもらう方法の一つとして、高齢者が対面のフリーマーケットに出品していることに着目した。そこで「高齢者は終活の一環としての物の処分を通して、物を手放すことや受け継いでもらうことに対してどのような価値観を抱いているのか、それらの行為は彼らにとってどのような肯定的意味をもたらしているのか」という問いを立てた。先行研究の検討に加え、高齢者が私物を出品するフリーマーケットの観察と、終活において物の処分に取り組む高齢者を対象とした質問紙調査とインタビュー調査を実施した。結果として、高齢者は、物の処分の動機にとどまらず実行においても、家族などの自分以外の人を配慮していると分かった。終活における物の処分とは、高齢者にとって個々の物の位置付けを再確認する機会だといえた。ゆえに高齢者が人生を全うするにあたり、人にとっても良いことは自分の人生にとっても良いとする価値観が抱かれているということと、生涯関わりの絶えない物という存在との付き合い方を考えるという点で物の処分は重要であるということが示された。 |