卒業論文詳細

学科社会学科 ゼミ教員名藤本 昌代 年度2025年度
タイトル学歴結合と社会階層的帰結 
内容 本稿では学歴結合の趨勢が先行研究の結果と一致するか、および個人の類婚選択が階層移動とどのように関連し、帰結していくかを考察した。
分析手法とその方法はNFRJ18の個票データを用いた、2枚データの量的分析である。その中で学歴結合の趨勢を把握するために、40歳未満有配偶者女性と40~50歳未満有配偶者女性の二時点コーホートを作成した。次に、学歴結合と階層の関連性を分析するため、家族的背景、社会的地位などを示す変数と夫妻の学歴結合を示す変数とをクロス表により照合した。
分析結果であるが、まず学歴結合の趨勢について同類婚層の強化、および妻下方婚の忌避傾向緩和が明らかになり、先行研究の結果と一致することが示された。次にクロス分析においても、個人の学歴が居住地および、結婚時期を規定するだけでなく、妻学歴が地理的、時間的な意味合いにおいても階層分化を進行させつつあることがわかった。最後に、学歴の再生産について子供の学歴結合の帰結には父母の学歴、とりわけ父学歴との連鎖性の強さが確認された。
これらの結果を踏まえて本稿での研究意義は、類婚選択は潜在的に個人の階層を決定づける諸要因として作用していることを明らかにした点である。
講評 本稿は、階層論で女性の婚姻状況に着目し、女性の上方婚の動向を調べた研究である。本研究はかつて女性は低学歴でも男性の高学歴者との結婚により、高階層に移動したという研究に対し、現在は女性の稼得能力が向上しているため、結婚行動が変化しているのではないか(たとえば、上方婚が減少し、同類婚が増えているのではないか)という仮説のもと、『第4回家族についての全国調査』(NFRJ18)(2019年)データの二次分析を行っている。分析結果では、学歴結合による同類婚の比率が上昇し、上層での学歴結合と下層での学歴結合により、夫婦においての階層の二極化が起こっていること、また、女性の上昇婚が減少している一方で、女性の下方婚(女性の方が高学歴)が増加していること、それは地方に多い傾向が明らかにされた。 本研究は現代的傾向を析出しているが、もう少し、早くから分析に注力していれば、より深い分析ができたと思われる。
キーワード1 学歴結合
キーワード2 ライフスタイル
キーワード3 稼得能力
キーワード4 階層分化
キーワード5 階層的再生産