| 学科 | 社会学科 | ゼミ教員名 | 藤本 昌代 | 年度 | 2025年度 |
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| タイトル | 現代日本社会における地位非一貫性 | ||||
| 内容 | これまでどのような教育を受けてきたのか、どのような職業に就いてきたのか、どれくらいの収入があるのか。私たちは、それぞれ異なる社会的属性を持っており、それらは社会的地位を構成すると考えられている。そのように個人が持つ複数の社会的地位にズレが生じることを地位非一貫性といい、先行研究においても検討されてきた。本稿では、この地位非一貫性について主に2つの問題を設定し、それを明らかにすることを目的としてデータの分析を行った。第1は、地位非一貫性は現代社会で縮小しているのかを明らかにすることである。分析の結果として、現代日本社会における地位非一貫性の縮小が示唆されたが、年代や性別によってその程度は異なる可能性も示された。そして第2は、地位非一貫性の有無が個人の社会意識に及ぼす影響を明らかにすることである。分析の結果として、地位非一貫性の有無と社会意識には関連が見られなかった。一方で、それぞれの社会的地位変数と社会意識には一部関連があることが示唆された。 |
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| 講評 | 本稿は、階層論で議論されてきた「地位の非一貫性」について、現代社会における状況を再検証することを試みた研究である。分析は社会階層と社会移動2015年データを用いた二次分析であり、地位変数として、学歴、所得、職業威信を中心に社会的属性を統制変数として分析し、政治的態度、生活満足度、仕事満足度との関係検討している。1975年調査の際、地位の非一貫性がこれらの意識で不満を高めなかったことには高度経済成長期による所得状態の改善によるものではないかという研究がなされている。本研究はバブル崩壊後、経済低迷期を経験している日本において地位は一貫しており、低い位置での一貫性の層において生活満足度において不満が高まるという仮説を立てている。分析は世代、性などで所得、学歴、職業威信の違い、生活満足度、政治関心度、仕事満足度の違いを分析している。地位の非一貫性は縮小しているという仮説は支持され、考察では社会的属性による意識の違いに有意差がなかったことについて、地位の非一貫性が縮小していること、社会的地位に対する不満が政治に向かわなくなくなったこと、生活満足度と所得の関係が強いこと、地位の非一貫性は地位変数より性差で見られることを議論している。本研究は、興味深いテーマに取り組んでいるが、もう少し早くから分析に注力していれば、現代的観点から地位の非一貫性を捉えることができたと思われる。 |
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| キーワード1 | 地位非一貫性 |
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| キーワード2 | 社会的地位 |
| キーワード3 | 社会意識 |
| キーワード4 | |
| キーワード5 |