| 学科 | 社会学科 | ゼミ教員名 | 藤本 昌代 | 年度 | 2025年度 |
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| タイトル | DMATの視点からみる 災害医療における薬剤師の必要性 | ||||
| 内容 | 本研究では、DMAT薬剤師の語りから五つの重要な知見を明らかにした。第一に、平時の調剤業務、病棟業務、服薬指導、多職種連携の経験が、災害時にもそのまま活かされていた点である。災害時には業務調整員として搬送調整や物資管理を行う一方で、麻薬管理や代替薬判断など薬剤師の専門性が必要とされる場面が多く、平時の経験が災害対応に強く影響していた。第二に、DMAT活動には研修や訓練による負担が大きく、家庭や職場との調整が必要であったが、上司や同僚の理解が活動継続の支えとなっていた。第三に、能登半島地震では薬剤師不足が深刻で、「置いていってほしい」と求められるほど薬剤師が現場で必要とされていた。第四に、DMAT隊員は使命感が強い一方、疲労や緊張から行動が先走る場面があり、休息確保が重要であった。第五に、被災した薬剤師はDMAT研修で学んだ知識を院内対応に活用していた。本研究より、薬剤師の平時の経験が災害時の対応に大きく影響していることが明らかとなった。 |
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| 講評 | 本稿は、DMAT(医師、看護師、業務調整員で構成される専門的な災害派遣医療チーム)の中での薬剤師の役割、活動について調べた研究である。調査では、被災地域、被災確率が高いと言われている地域、被災経験のない地域の薬剤師に、それぞれDMATとしての役割、活動について半構造化インタビューを行っている。調査では薬剤師という医療専門職には、看護師、医師以上に、医療以外の役割が期待されていること、DMATチームの調整役を任されがちであること、職場のDMATへの理解の有無など、ジレンマがあることを明らかにしている。また、被災中の患者への薬の処方で、薬剤師でなければ判断できないことで役立つ経験などが、やりがいになっていることも明らかにされている。本研究は、日常生活では知ることが難しいDMATの医療専門職の人々の活動内容、働きがい、ジレンマを詳述した力作である。ただし、社会学的理論的枠組みの議論が弱いため、その辺りを改善すると論文がレベルアップすると思われる。 |
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| キーワード1 | 災害医療 |
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| キーワード2 | 専門性 |
| キーワード3 | 多職種連携 |
| キーワード4 | |
| キーワード5 |