| 学科 | 社会学科 | ゼミ教員名 | 藤本 昌代 | 年度 | 2025年度 |
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| タイトル | 地方移住の記号化と社会的意味 ―隠岐諸島「大人の島留学制度」にみる地域活性の実態と構造 | ||||
| 内容 | 本稿では、昨今の日本社会が直面する人口減少を踏まえ、島根県隠岐郡海士町が展開する「大人の島留学制度」に焦点を当て、その社会的な意味合いを記号論的視点から考察した。この制度の最大の特徴は、単なる経済的インセンティブではなく、参加者個人の内的軸に焦点を当てた価値を前面に打ち出している点にある。調査の結果、参加者が獲得する記号は、多くの場合、対外的な意味合いではなく、「今後の自分のため」という思惑が根底にあったことが明らかになった。また、一部の参加者に見られた意図的な情報発信には、誇示的消費の側面があるものの、それは仲間や友人へ自分の挑戦する姿を通してプラスの影響を与えたいという利他的な要素を秘めていた。 制度は、記号論的視点からでは、参加者が他者や過去の自分との差別化を図り、一定期間内の経験の中で記号の取捨選択を行う機会となっていると解釈された。その結果、仕事創出や定住など、短期的にも中長期的にも多様な形で地域創生に寄与していることが明らかになった。このように、地方に若者を呼び込む制度が、単なる労働政策や人口対策を超えて、どのような社会的意味を持つのかが示された。 |
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| 講評 | 本稿は、離島への島留学制度への参加者の態度、価値観の創出について、記号の消費の観点から取り組んだ研究である。島留学する人々に対して、参加の動機、イメージとのギャップ、参加の意義等について半構造化インタビューを行っている。調査では、島根県の隠岐郡海士町にフィールドワークとして現地に赴き、島留学制度で来島した人々が都会の喧噪を脱し、島での自然とともに過ごす生活によって、日常生活と自己への評価、社会との関係性など、態度変容が起こる状態を明らかにしている。本研究は記号論だけでなく、若者論、地域社会学的な文献レビューで理論的分析枠組みを構築し、事例との整合性を組み立てて分析されれば、さらにわかりやすくまとめられたと思われる。 |
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| キーワード1 | 地方 |
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| キーワード2 | 留学 |
| キーワード3 | 記号論 |
| キーワード4 | |
| キーワード5 |