| 学科 | 社会学科 | ゼミ教員名 | 藤本 昌代 | 年度 | 2025年度 |
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| タイトル | 現代DJのキャリア形成について探る ——「遊び」と「労働」の境界線と持続可能性 | ||||
| 内容 | 本稿は、現代の音楽業界において制度的な基盤を持たないDJがいかにしてキャリアを形成し、活動を持続させているのかを、現役DJへのインタビュー調査を通じて社会学的に分析したものである。 調査の結果、DJへの参入は偶発的な要因に基づき、技能は現場での身体的模倣とデジタル学習のハイブリッドによって習得されていることが明らかになった。また、評価軸が「現場の実力」と「SNSの数値」に二分される中で、DJたちはアイデンティティの葛藤を抱えている。 特筆すべきは、低賃金や長時間労働という搾取的な労働構造に対し、多くのDJが「兼業」を選択することで経済的従属を回避し、純粋な表現活動としての音楽を守り抜いている点である。これは消極的な妥協ではなく、市場原理から自身の「好き」を防衛するための能動的な生存戦略であり、流動化する現代社会における新たなプロフェッショナリズムの形を示唆している。 |
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| 講評 | 本稿は、DJのキャリアパスについて調べた研究である。調査では複数店舗の被調査者にDJになった動機、専業・副業の選択理由、DJに対する社会的評価、DJ自身による専門性の追求、観客からの評価等について、半構造化インタビューを行っている。調査では、DJという職業に専業で従事することは非常に厳しい状況にあることが明らかになった。また、専業で従事することによって専門性の追及に妥協が生じること、副業としてのDJであれば、生活は別の職業で維持し、曲選び、イベント選び等は自分で選択することができること、また専業で従事している人以外でも、有償で仕事を受けていれば「プロ」という認識であること、玄人好みのDJはハイレベルな観客での評価を好み、SNSでバズっているDJが必ずしもDJ仲間から高評価を受けるとは限らないことなどが明らかにされた。そして、DJを雇用する側からの処遇は観客からの評価の高さには見合っておらず、「やりがい搾取」という側面もあることも明らかにされた。本研究は社会学的文献を増やして、理論的分析枠組みが構築され、事例を併せて考察されていれば、より深い議論ができたと思われる。 |
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| キーワード1 | 本業と専業 |
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| キーワード2 | 精神的報酬 |
| キーワード3 | 現場とデジタル |
| キーワード4 | |
| キーワード5 |