| 学科 | 社会学科 | ゼミ教員名 | 藤本 昌代 | 年度 | 2025年度 |
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| タイトル | 伝統産業におけるAI活用と労働の変容 ―技術革新がもたらす継承と再編― | ||||
| 内容 | AIは多様な分野で導入が進み、労働力不足が深刻化する現代社会において重要な役割を担いつつある。本論文は、とりわけ後継者不足が顕著な伝統産業に焦点を当て、2つの問いを立てた。1つ目は、産業存続のためにAIはいかなる役割を果たしうるのかである。2つ目は、伝統産業がもつブランド価値や文化的ゆたかさを損なわずにAIは実装可能かという問いである。複数のAI開発者、公的機関、職人へのインタビュー調査を通じ、伝統産業におけるAI活用の現状と課題を分析した結果、AIは職人の仕事を代替する存在ではなく、判断や技術継承を支援する補完的役割として位置づけられていることが明らかになった。また、AI活用に慎重な姿勢がみられた背景には、技術的制約だけでなく、伝統産業が内包する価値観や文化的意味が大きく関わっていることが示された。本研究は利用者側の調査が限定的であるという限界があるが、AI導入の転換期における知見として一定の意義を有し、今後、伝統産業が持続可能な形へ移行するうえでAIは不可欠な存在になると考えられる。 |
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| 講評 | 本稿は、労働力不足、後継者不足の中で、伝統産業の継続に関わるアクターが人工知能(AI)をどのように利用しているのかを調べた研究である。調査では南部鉄器、西陣織に関わる老舗企業、AI開発組織・大学、職人、公設試験所に就業現場でのAIの開発・利用状況について半構造化インタビューを行っている。南部鉄器の場合、ベテラン職人の技の数値化が試みられ、属人化しがちな技が可視化されることで、若手職人が技を身に付けやすくなり、後継者の育成が行われやすくなったこと、西陣織の場合は、職人の作業負担を軽減するAIアプリけーションにより、デザイン作成、アイデアの提供、作業効率の向上に役立っていることなどを明らかにした。ただし、AI利用に慎重な企業の方が圧倒的に多く、その要因として、過渡期の現在では中小企業には、セキュリティ、AIガバナンスへの注力が難しく、職人の定性的な育成機会の減少などもある。本研究は、さらに調査対象者を増やせれば、社会との関係性にも触れられたと思われる。 |
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| キーワード1 | 伝統産業 |
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| キーワード2 | AI |
| キーワード3 | 技術継承 |
| キーワード4 | |
| キーワード5 |