学科 | メディア学科 | ゼミ教員名 | 勝野 宏史 | 年度 | 2024年度 |
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タイトル | 「推し活」にかかわる承認欲求充足について |
内容 | 本論文では、アイドルを対象とした「推し活」を行うファン心理の背景に「承認欲求」が深く関わっている点に注目している。アイドルを推すファンへの聞き取り調査とXの投稿の分析により、時間や金銭的コストを費やすことで行われる「推し活」が、いかにしてファン自身の心理的承認や満足感へと繋がるのかを調査・考察した。これにより、ファンとアイドルの関係性が双方向化している現代の「推し活」において、ファンは「推し」に認識され、時間を割いてその関心を示してもらうことにより承認欲求を満たしていることを明らかにした。また、多様性が尊重される反面、客観的な承認の基準が重要視されない現代において、アイドルとファンのコミュニケーションは、ある程度決まった振る舞いが期待され、安定した承認を求める手段となっており、ファンは時間や金銭をその対価として支払っていると解釈することが可能である。 |
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講評 | 本研究は、「推し活」を通じたファンの承認欲求の充足に着目し、聞き取り調査とXの投稿分析をもとに、ファンとアイドルの双方向的関係の現代的特徴を明らかにした点で意義がある。特に、アイドルに認識され、関心を示してもらうことがファンの心理的満足に直結するという分析は、推し活を単なる消費行動ではなく、安定した承認を得るための社会的実践として捉える視点を提供している。また、現代社会において客観的な承認の基準が揺らぐ中で、アイドルとの関係性が、期待された振る舞いを通じて「安定した承認」を得る場になっている点も興味深い指摘である。一方で、「推し活」における承認の構造が、個人主義化やデジタルメディアの発展とどのように関連しているのかを検討すると、より現代的なコンテクストを浮き彫りにできるだろう。例えば、SNSの発達によって、アイドルとファンの関係がどのように変容し、従来の承認のあり方とどのような違いを生んでいるのかを探ることは、有意義な展開となるだろう。 |
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キーワード1 | 推し活 |
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キーワード2 | アイドル |
キーワード3 | 承認欲求 |
キーワード4 | |
キーワード5 |