学科 | メディア学科 | ゼミ教員名 | 勝野 宏史 | 年度 | 2024年度 |
---|---|---|---|---|---|
タイトル | 京都駅に見る駅舎の変容とランドマークとしての新たな価値 |
内容 | 本論文は、駅舎の機能複合化がランドマーク性に与える影響を分析し、特に視覚価値から体験価値への移行を明らかにすることを目的とする。ランドマークの定義や役割、駅の社会的機能の変遷を踏まえ、京都駅を事例に、その視覚的および体験的ランドマーク性を考察した。初代から現行の4代目駅舎まで、歴史的背景やデザイン、機能変化を整理し、駅が単なる交通拠点から文化・商業・交流の場へと進化した過程を示した。特に、4代目駅舎の特徴である高度な機能複合化と革新的デザインは、駅が視覚的特性を超えて利用者に多様な体験を提供する空間へと変容したことを象徴する。これを通じて、ランドマークの価値が視覚的象徴性から体験的価値へと変化していることを主張し、現代都市における駅の役割を再定義した。 |
---|
講評 | 本研究は、駅舎の機能複合化がランドマークとしての価値にどのような影響を与えるのかを分析し、視覚的価値から体験的価値への移行という視点を提示した点で、興味深いアプローチをとっている。特に、京都駅の歴史的変遷を整理し、そのデザインや機能の変化を踏まえてランドマーク性を考察することで、駅という空間が単なる交通インフラから文化・商業・交流の場へと変容していることを示した点は評価できる。また、ランドマーク概念の再定義に挑戦し、視覚的象徴性だけでなく、利用者の体験を重視する方向へと価値がシフトしているという主張は、現代都市研究や都市デザインの観点からも意義深い。しかしながら、「体験的ランドマーク性」という概念について、もう少し理論的な補強があるとより説得力が増したかもしれない。たとえば、都市社会学や建築デザインの分野における先行研究と結びつけることで、視覚的価値から体験的価値への変化が、より広範な都市空間の変容の一環であることを明確にできた可能性がある。 |
---|
キーワード1 | 駅舎 |
---|---|
キーワード2 | ランドマーク |
キーワード3 | 京都駅 |
キーワード4 | 機能複合化 |
キーワード5 | 体験価値 |