学科 | メディア学科 | ゼミ教員名 | 勝野 宏史 | 年度 | 2024年度 |
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タイトル | SNSと相対的剥奪の関係 |
内容 | 本論では、SNSと相対的剥奪の関係について考察する。相対的剥奪とは、他の人が持っている属性や物が、自分にはないという感覚のことである。SNSを用いると、ここでいう「他の人」の情報を簡単に入手することができる。そのため、SNSは相対的剥奪と強い関係があることが言える。本論では、X(旧Twitter)のポスト約2000件を、機械学習や統計的手法によって分析する。それにより、SNSが当たり前の現代社会において、相対的剥奪がどのように感じられているのかを明らかにする。分析に用いる文章は、「学歴」「恋愛」「就活」というライフステージで重要な話題に関連する話題単語と、「不平等」「格差」「コンプレックス」という、感じている剥奪感の種類を表す剥奪感単語の二種類の単語を含む文章とした。最終的に、二種類の単語がどのような共起関係にあるかを読み解くことで、SNS社会に感じる相対的剥奪の認識モデルを作成した。 |
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講評 | 本研究は、SNSの普及と相対的剥奪の関係に焦点を当て、X(旧Twitter)の投稿データを用いた機械学習・統計的手法による分析を試みた点が評価できる。相対的剥奪という社会心理学的概念をSNS環境に適用し、「学歴」「恋愛」「就活」といった具体的なライフステージの文脈で考察している点は、現代社会における人々の心理的影響を探るうえで興味深いアプローチである。また、剥奪感を表す単語とライフステージに関連する単語の共起関係を分析することで、SNS上でどのように相対的剥奪が認識されているのかを明らかにしようとする試みも、新規性がある。全体として、デジタル環境下での社会的比較のあり方をデータ分析を通じて可視化しようとする点は意義深く、今後、SNSプラットフォームごとの違いや、剥奪感が個人の行動や意識にどのような影響を及ぼすのかといった点を掘り下げることで、さらなる発展が期待できる研究である。 |
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キーワード1 | 相対的剥奪 |
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キーワード2 | 準拠集団 |
キーワード3 | 承認 |
キーワード4 | テキスト分析 |
キーワード5 | 文章ベクトル |