学科 | メディア学科 | ゼミ教員名 | 勝野 宏史 | 年度 | 2024年度 |
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タイトル | 若者と寺院の新しい関係性の構築ー仏教の商品化を通した心のケアの可能性ー |
内容 | 本論文は、現代社会における若者と寺院の関係性を探り、寺院が果たすべき新たな役割について考察したものである。「寺離れ」や仏教の「商品化」が進む一方、孤独感を抱える若者の増加が社会問題となっている現状を背景に、寺院が若者にとって心のケアの場として機能する可能性を提言した。アンケート調査の結果、若者は寺院を歴史的・文化的資源と認識する一方で、精神的な安らぎを提供してくれる場としての役割を期待していることが明らかになった。さらに、龍岸寺の「超十夜祭」やワカゾーの「デスカフェ」といった事例の分析から、音楽やアート、対話などを通じて若者が親しみやすい場を提供する取り組みが、寺院の価値を広げていることが明らかになった。本研究は、寺院が「精神的インフラ」や「文化発信の拠点」として若者との関係を再構築する可能性を示し、現代社会における寺院の新たな役割を提言している。 |
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講評 | テーマの設定が社会的な課題と密接に結びついており、現代の若者と寺院の関係性を再考する意欲的な研究である。特に「寺離れ」や「仏教の商品化」といった現象と、若者の孤独感の増加を関連づけた点は新鮮であり、寺院の新たな可能性を探る試みとして興味深い。アンケート調査により、若者が寺院を歴史・文化的資源と認識しつつも、精神的な安らぎの場として期待していることを示した点は説得力がある。ただし、期待と実際の利用状況のギャップについて、もう少し深掘りすると、より実践的な提言が可能だったかもしれない。事例分析では、「超十夜祭」や「デスカフェ」といった試みを取り上げ、寺院が文化発信の場として機能し得ることを具体的に示しており、実証的な裏付けがなされている点が評価できる。全体として、寺院を「精神的インフラ」として再定義するという視点は、社会的意義が大きく、現代における寺院の役割を問い直すうえで重要な示唆を与える研究である。 |
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キーワード1 | 寺院 |
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キーワード2 | 仏教の商品化 |
キーワード3 | 若者と寺院 |
キーワード4 | 心のケア |
キーワード5 | コミュニティ再生 |