内容 |
本稿では、2024年調査の人気キャラクターランキングから上位5作品を取り上げ、見た目が人間らしくない、動物などがモチーフのキャラクターのアイデンティティの描き方を分析し、現代社会におけるどのような考え方がキャラクターという分野に影響を与え、変容させたのか、その考え方が生じている要因は何かについて明らかにすることを試みた。アイデンティティとは「自分とは何か、社会の中で何者として生きていくか」という問題に対する自分なりの答えのことを指す。結果、近年発表された作品において「性別の設定、一人称の使用、キャラクター間でのキャラクターの固有の名前(もしくは種族名)の使用、恋愛や家族の描写がほとんど無く、能力も不完全だが、自己の理想像への希求がよく見られる、人間のキャラクターと一緒には描かれないキャラクター」の表現が見られることが明らかになった。この表現は、読者や視聴者にとってストレスがなく、自己投影して主体的に楽しまれると考えられる。要因として、「友達付き合い」や「自分らしさ」への疲弊・不安、ジェンダーの境界線の揺らぎという現代の若者の現状が考えられる。この現状には、ゲーム機やスマートフォンの普及、テレビCMや広告ポスターを活用したマーケティング戦略、マンガ、アニメ、ゲームなどのポップカルチャーの成長、インターネット上のコミュニケーションの形といったメディアと関係した事柄が影響していると考えられる。 |