卒業論文詳細

学科産業関係学科 ゼミ教員名松山 一紀 年度2024年度
タイトルフォロワーシップから考えるサッカー界における「ボトムアップ理論」の可能性
内容  本論文では、Kelley、松山らのフォロワーシップ分類を整理したうえで、近年高校サッカー界などで注目を集める「ボトムアップ理論」と呼ばれるチームの運営方法に着目している。リーダーの立場である監督ではなく、フォロワーである選手の主体性を重視するボトムアップ理論を実際に採用するチームの事例などを分析しながら、ボトムアップ理論から生まれるフォロワータイプと現代のサッカー界で求められる選手像について考察しており、そこから日本サッカー界の展望やボトムアップ理論の可能性について述べている。
 結果としてはボトムアップ理論においては、松山のフォロワーシップ分類における「統合型フォロワー」が生まれやすいことを伺うことができ、現代のサッカー界を見ても統合型フォロワーの特徴を持つ選手が求められていることが分かった。そして、ボトムアップ理論のようにフォロワー(選手)の行動や考えを尊重する選手育成の可能性を本論文では主張している。
講評 これまでのフォロワーシップ研究を整理し、フォロワーシップの近似的概念であるボトムアップにも注目し、それらを踏まえて、日本のサッカー界について分析した論文である。観従理論など、難解なフォロワーシップ理論を精緻に理解している点、母校のサッカー部に戻り顧問にインタビューを行っている点は評価に値する。研究の結果、ボトムアップ理論によって、松山のフォロワーシップ分類における統合型フォロワーが生まれやすいこと、そして、現代日本のサッカー界においては、監督の指示を前提としたうえで、個性を発揮することのできる、統合型の選手が必要とされていることを明らかにしている。ボトムアップ理論に着目している点は評価できるものの、実践的側面が強いこともあり、フォロワーシップ理論との学術的接続点が明らかにされていないのが残念であった。
キーワード1 フォロワーシップ
キーワード2 フォロワータイプ
キーワード3 統合型フォロワー
キーワード4 ボトムアップ理論
キーワード5 日本人サッカー選手