学科 | 産業関係学科 | ゼミ教員名 | 松山 一紀 | 年度 | 2024年度 |
---|---|---|---|---|---|
タイトル | 浸透の3次元から見る経営理念浸透について |
内容 | 本研究は、経営理念の浸透を促進する要素を明らかにすることを目的としている。研究の動機は、筆者がインターンシップや身近な労働環境で経営理念の実感が薄いと感じた経験にある。先行研究では、経営理念の浸透が企業の成功に重要とされるが、具体的な実現手法や組織的要素についての議論は不足している。本研究では、「経営理念を効果的に浸透させるために必要な要素」をリサーチクエスチョンとし、組織内部の統合や外部適応機能の観点から経営理念の役割を考察した。調査結果から、理念浸透には経営陣のリーダーシップ、従業員の共感や理解、理念を体現する仕組みづくりが重要であることが示された。また、理念が形式的でなく、実務に反映される具体的な行動指針を伴うことが必要とされた。最終章では、これらを踏まえた実践的な提言が示され、経営理念を継続的に見直し、社会環境の変化に応じて進化させる重要性が強調された。最終的に、経営理念の浸透は企業の統合力向上や外部への信頼構築に寄与することが確認され、今後の実務や研究への示唆が提示された。 |
---|
講評 | 近年、パーパスや経営理念の重要性が叫ばれている。しかし、経営理念は掲げれば良いというものではない。組織に浸透しなければ意味がないのである。本研究は、理念の浸透を3段階に分けたうえで、それぞれのフェーズに対して、何が効果を有しているのか、量的調査を通じて明らかにしようとしている。重回帰分析の結果、経営理念に対する組織的取り組みが、理念に対する情緒的共感、認知的理解、そして行動的関与全てに対して正の影響を有していることが明らかになった。この結果は大変興味深いと言える。ただ、今回のサンプルは70余りと少し少なかった。また、回答者に経営層が多く、サンプルに偏りが見られた点に若干課題が残る。 |
---|
キーワード1 | 経営理念 |
---|---|
キーワード2 | 経営理念浸透 |
キーワード3 | 浸透の3次元 |
キーワード4 | 情緒的コミットメント |
キーワード5 |