卒業論文詳細

学科産業関係学科 ゼミ教員名寺井 基博 年度2024年度
タイトルM&Aと労働条件
内容 本論文ではM&Aを行うにあたり、事業譲渡などを行った結果における譲渡側企業の従業員の労働条件の変化に着目している。着目にあたっては、譲受側の使用者と譲渡側企業の従業員の裁判事例から考察し、M&A後の労使関係問題解決のための提言をしていく。
 そのためプロセスやフロー、大企業や中小企業における事例、吸収合併や対等合併の違いなどM&Aについての理解を徹底的に明らかにした。
 そして、従業員という観点から、M&Aによるメリットや影響を明らかにし、従業員の反対意見を調べることで、M&A後の労使関係問題が、事業譲渡において多く発生することが明らかになった。
 M&A、事業譲渡において、譲受側は、譲渡側の企業や事業との事細かな「労働組合等との事前の協議」、「承継予定労働者との事前の協議」を行い、「労働契約の承継についての承継予定労働者の承諾」、「事業譲渡の効力発生・労働契約の承継」に進むことの重要性を主張したい。
講評 本論文は、事業譲渡における労働者や労働組合との交渉や合併後の労働条件統一に関する法的ルールを整理した文献研究である。統合後の降給の有効性が争われたエーシーニールセン・コーポレーション事件や7つの事業が統合した際の退職金規定改定の有効性が争われた大曲市農協事件などが、M&Aの枠組みの中で論じられている点が新鮮であった。これからM&Aコンサルティング業務に携わる中で研鑽を積んで、労使双方の観点から適切な判断でできる銀行マンになってもらいたい。
キーワード1 M&A
キーワード2 労働条件
キーワード3 事業譲渡
キーワード4
キーワード5