学科 | 産業関係学科 | ゼミ教員名 | 寺井 基博 | 年度 | 2024年度 |
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タイトル | 継続雇用における賃金について |
内容 | 本論文では、定年後の高齢者の継続雇用について注目し、定年前後で賃金が変化してしまうという問題について、文献調査を通じて状況を整理し、改善策を検討した。その結果、 人件費の抑制が可能であることを理由に継続雇用を選択する企業が多く、また継続雇用時 には労働の内容に変化がないが、賃金は低下する傾向にあることがわかった。この継続雇 用後の賃金は、現役世代のようにその時の働きが評価され賃金に反映されるわけではな く、定年までの企業貢献が基準となり算定されるのが一般的である。しかしこのような賃 金制度のもとでは、労働者のモチベーションの低下などの問題を発生させる。この状況を 改善するべく、定年の延⻑やジョブ型雇用の導入などの提案がなされていたが、いずれの 案にも懸念点はあり、調査結果をもとに現状を改善する具体的な制度を考えることは困難 であった。しかし、高齢者の企業内における戦力化の方法を模索することが、企業にとっ ての高齢者の価値を高め、雇用環境の改善につながるのではないかと考えた。 |
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講評 | 本論文は、60歳以降の継続雇用が進む中で、その賃金制度の在り方を正面から考察した意欲的な論考である。継続雇用者の賃金は、現役時代と仕事内容が変わらないのに金額が低下傾向にあることから、継続雇用中の賃金は、その時の働きが評価され賃金に反映されるわけではないことを指摘する。継続雇用者のモチベーション低下を問題として、先行研究は定年延長やジョブ型雇用の導入を提案するが、本稿では、ジョブ型雇用の職務給には査定がないためモチベーション低下の問題は変わらないと分析している。一朝一夕に解決できる問題ではないので、引き続き実務的な見地から考えてもらいたい。 |
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キーワード1 | 高齢者 |
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キーワード2 | 継続雇用 |
キーワード3 | 定年延長 |
キーワード4 | 高齢者雇用安定法 |
キーワード5 |