卒業論文詳細

学科産業関係学科 ゼミ教員名寺井 基博 年度2024年度
タイトル「エンゲージメント経営による人材流出問題の解決に向けて」
内容  本論文では、日本企業における人材流出問題とエンゲージメント経営の関係を探り、その解決策としてのエンゲージメント経営の重要性を考察する。近年、日本は少子高齢化の影響で労 働力人口が減少し、特に IT 人材の不足が顕著である。さらに、雇用の流動化が進み、多くの若 手社員が職場に対する「やりがい」を感じていないことが、企業の人材流出を加速させてい る。エンゲージメント経営は、社員が自発的に貢献し、仕事に熱意を持つ環境を作ることを目 指す。日本企業におけるエンゲージメントの低さは、調査結果からも明らかであり、従業員の 多くがやる気を失っている状況が続いている。エンゲージメントの向上には、社員の個々の成 長や仕事の意義を感じさせる取り組みが求められ、また、IT 業界を中心に、エンゲージメント 経営を実践する企業が増えており、これが社員の定着率や業績向上に繋がっている事例も紹介 する。本論文では、エンゲージメント経営が今後の労働市場において、人材不足を解決するも のとして重要であると考える。
講評 本論文は、若手社員を中心とした離職問題について、エンゲージメントの観点から解決策を考えようとする論考である。エンゲージメントは、「個人の意欲が組織や仕事にどれだけ向かっているかを測定したもの」(p8)と定義されている。言い換えれば、エンゲージメントとは、企業によって提供される労働条件や仕事の遂行方法、就業形態に対する労働者の評価についての指標ということができる。したがって、現在の日本の労働者のエンゲージメントが低下しているということは、仕事の遂行方法を含めた労働条件への満足度(納得性)が下がっているということになるだろう。そのように考えると、現在「エンゲージメント」という指標が重視されるようになった理由や背景について、仕事の遂行方法や労働条件の観点からの考察があればなおよかったと思われる。
キーワード1 エンゲージメント
キーワード2 人材の流動化
キーワード3 IT人材
キーワード4
キーワード5