卒業論文詳細

学科産業関係学科 ゼミ教員名寺井 基博 年度2024年度
タイトルスキマバイトがもたらす新しい雇用形態の可能性
内容  近年、少子高齢化による労働力不足や働き方の多様化が進む中、「スキマバイト」と呼ばれるスポットワークが急速に広がりを見せている。短時間のアルバイトを効率的にマッチングするこの仕組みは、労働者に柔軟な働き方を提供すると同時に、企業に即時的かつ必要な時間だけ人材を確保できる新たな雇用形態を可能にしている。スキマバイトのリーディングカンパニーであるタイミーの累計ワーカー数は900万人を突破しており、2023年度のスポットワーク仲介サービス市場(単発バイト求人情報サービス市場、短期バイト人材紹介サービス市場、人材マッチングサービス市場の3市場合計)の市場規模は前年度比27.2%増の824億円に達すると見込まれている。本論文では、スキマバイトが普及した背景について、テクノロジーの進歩に加え、副業・兼業を促進する法制度の変化などの要因を考察した。また、ギグワークなどの雇用形態と比較し、その意義や課題を検討した。
講評 本論文では、企業が副業を容認する理由について、主に労働環境の点から論じられている。とくに、企業と労働者の関係が従前の主従関係から並列的なパートナーシップに変わってきている点に注目している。また、副業を行う理由としてスキル向上など人材育成が指摘されるものの、実際には補助的な収入獲得の手段としての面が強いことが明らかにされている。先行研究を丹念にレビューした力作である。
キーワード1 スキマバイト
キーワード2 副業・兼業
キーワード3 ギグワーク
キーワード4 プラットフォーム労働
キーワード5 多様な働き方