卒業論文詳細

学科産業関係学科 ゼミ教員名樋口 純平 年度2024年度
タイトル再雇用高齢者の人事制度〜現役社員との評価・処遇の比較を中心に〜
内容  近年、少子高齢化による労働力人口の不足が深刻な社会問題となっている。一方で、日本の健康寿命は年々伸びている。この状況から、健康で働く意欲のある高齢者を活用することで日本の労働市場における人手不足問題を解決できるのではないかと考え、研究に至った。
 本論文では、再雇用高齢者の更なる活用と評価・処遇の是正に向けて、日本の企業事例や雇用政策から高齢者再雇用制度の在り方について考察する。とりわけ、「同一労働同一賃金」と「一国二制度」、「高齢社員のモチベーション」の3つの観点をもとに、現役社員と再雇用高齢者の評価・処遇を比較・検討する。ここでは高齢者再雇用に取り組む企業事例として5つの企業をピックアップし、分類した。グループ(1)「一国二制度」的な雇用制度、グループ(2)定年廃止、グループ(3)選択定年制の3つのグループに分類し、検討した結果、(3)選択定年制が再雇用高齢者の評価・処遇の是正やセカンドライフの充実に最も有効であり、企業にとっても実現性の高い雇用制度であると結論づけた。
講評  近年重要性が高まっている高齢者雇用の問題に取り組んだ。テーマをめぐる政策とマクロ的動向の把握から再雇用を中心とした企業の取り組みの分析まで,雇用制度分析の視点が貫かれた本格的な好論文である。補論的に書かれた祖父の働き方も,卒論らしい味わいが出てよかった。
キーワード1 高齢者再雇用
キーワード2 同一労働同一賃金
キーワード3 一国二制度
キーワード4 モチベーション
キーワード5 処遇是正