学科 | 社会福祉学科 | ゼミ教員名 | 鈴木 良 | 年度 | 2024年度 |
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タイトル | 高次脳機能障害当事者の障害受容と支援に関する研究 ―当事者及び支援者へのインタビューに依拠して― |
内容 | 本研究では,1) 高次脳機能障害当事者(以下,当事者)にとって障害受容がもつ意味や障害受容に至るまでのプロセス,2)当事者の社会復帰のためにどのような支援が必要なのかを明らかにした. 研究方法としては,1)当事者2名と専門医,言語聴覚士,作業療法士,相談支援専門員にインタビューし,2)高次脳機能障害の専門職への研修会,当事者家族会での参与観察を行った. この結果,第一に,当事者は対人関係や職場関係に困難を抱えながらも,重要な他者との出会いや社会的な役割の獲得を通して障害受容に至ることが明らかになった.第二に,求められる支援としては,1)当事者への直接支援,2)当事者の周囲の環境に働きかける間接支援,3)両支援の性格を持つジョブコーチの活用に分けられた. なお,1)の例としては,当事者が適切な病識を獲得するための支援,当事者同士の支え合いの場の提供,2)の例としては,当事者を取り巻く人的環境の整備が挙げられた. |
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講評 | 本研究では、1) 高次脳機能障害当事者にとって障害受容がもつ意味や障害受容に至るまでのプロセス、2)当事者の社会復帰のためにどのような支援が必要なのかが明らかにされています。研究方法としては,1)当事者2名と専門医,言語聴覚士,作業療法士,相談支援専門員へのインタビュー、2)高次脳機能障害の専門職への研修会、当事者家族会での参与観察が採用されました。 この結果、1)当事者は対人関係や職場関係に困難を抱えながらも、重要な他者との出会いや社会的な役割の獲得を通して障害受容に至ること、2)求められる支援としては、当事者への直接支援、当事者の周囲の環境に働きかける間接支援、両支援の性格を持つジョブコーチの活用が述べられています。 千田さんは、将来言語聴覚士になることを希望していて、言語に関わる障害について感心をもってきました。高次脳機能障害は、脳機能の障害であり、この点で言語機能の障害に関わるともいえます。こうした中で、授業のゲストとして来られた高次脳機能障害の当事者と知り合いになり、この方との出会いを契機として、インタビュー対象者を広げ、調べてきました。研修会に参加し、高次脳機能障害についての学びを深めています。この領域の研究は十分になされていない中で、障害受容というテーマから分析した点に本研究の意義があります。障害受容というテーマについての見方は様々ある中で、筆者なりのお考えを示すことができたのではないかと思います。 |
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キーワード1 | 高次脳機能障害 |
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キーワード2 | 障害受容 |
キーワード3 | 社会復帰支援 |
キーワード4 | |
キーワード5 |