学科 | 社会福祉学科 | ゼミ教員名 | 鈴木 良 | 年度 | 2024年度 |
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タイトル | 若年女性の居場所についての研究 ~京都わかくさねっとのフィールドワークに依拠して~ |
内容 | これまで若年女性を対象とした先行研究では、感情の共有をもたらす一方、彼女たちの協力だけでは問題解決は難しいことが明らかにされてきた。そこで本研究では、若年女性だけではなくて、大人が関与することによって、どのような影響があるのかを明らかにすることとした。 この結果、第一に、若年女性同士が集まる場があることによって、1)感情の吐き出しや言語化から、問題が自分たちではできないことが認識される契機になり、2)お互いの話を聞きあうことによって、相互に心理的なケアをし合う関係が生じていたことが明らかになった。 第二に、若年女性が身近に大人と繋がれることによって、1)自分たち同士で問題に対処しようとするのでなくて、大人に頼り、2)インフォーマルな支援や専門家の支援を受けられていることが明らかになった。 |
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講評 | この研究では、当事者同士や大人が関与することによって、若年女性にどのような影響があるのかが探求されています。この研究目的のために、京都わかくさねっとでのフィールドワークに依拠して分析されています。 この結果、第一に、若年女性同士が集まる場があることによって、1)感情の吐き出しや言語化による重要性、2)相互に話を聞きあい、心理的にケアをし合う関係の意義が明らかにされました。第二に、若年女性が大人とつながることによって、1)大人に頼ることの意義を自覚し、2)インフォーマルな支援や専門家の支援を受けられるようになることが明らかにされました。 わかくさねっとに関わる先行研究が皆無といえる状況のなかで、この団体がどのように若年女性を支援してきたのかということについての具体的な実践内容が描かれている点にこの研究の第一の意義があるといえるでしょう。近年、女性新法が成立し、若年女性を含む女性たちの権利擁護の法制度が整備されつつあります。しかし、現在の社会福祉業界においては、こうした若年女性の問題が重要な課題として十分に認識されておらず、NPOによる取り組みによってかろうじて生活課題に対応され、彼女たちにとってのセーフティネットが構築されている状況です。 本研究は、筆者が大学生活を通して行ってきた活動の集大成として卒論にまとめられたもので、彼女の思いが込められた論文として作成されています。本研究の成果が、若年女性支援という新しい福祉領域を検討するための基礎資料となることを願っています。 |
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キーワード1 | 居場所 |
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キーワード2 | 若年女性 |
キーワード3 | 相互のケア |
キーワード4 | ソーシャルネットワーク |
キーワード5 |