卒業論文詳細

学科社会福祉学科 ゼミ教員名鈴木 良 年度2024年度
タイトル児童自立支援施設を退所した女子児童の生活困難と支援
内容  本研究は、児童自立支援施設を退所した女子児童の生活に対して、施設はどのような支援を行っているかを明らかにすることを目的とした。児童自立支援施設の職員と退所女性を対象にインタビュー調査を行い、退所後の生活困難とその支援内容を分析した。
 この結果、退所した女性が直面する生活困難として、1)課題の残ったまま家庭に戻り生活が崩れやすいこと、2)他者との信頼関係づくりに苦労し、居場所をもつことが難しいこと、3)家庭が危険な状態のとき逃げ場がないことなどが挙げられた。 これに対して、施設職員は、1)制度によらない柔軟な個別支援を行っており、2)児童と直接的な関係を形成して退所後もつながりを保持し、3)施設そのものを退所者の帰ってこら れる場とし、4)児童が自ら意思表示をして他者に頼る力を育むことを入所中の支援において重視していることが明らかになった。
講評  本研究は、児童自立支援施設を退所した女子児童の生活に対して施設はどのような支援を行っているかを明らかにすることを目的として行われました。研究方法としては、児童自立支援施設の職員と退所女性を対象にインタビュー調査を行い、退所後の生活における生活困難とその支援事例について分析されています。
 この結果、退所した女性が直面する生活困難として、1)課題の残ったまま家庭に戻り生活が崩れやすいことや他者との信頼関係づくりに苦労し、2)居場所をもつことが難しいことなどが挙げられていました。これに対して、施設職員は、1)制度によらない柔軟な個別支援を行っており、2)児童と直接的な関係を形成して退所後もつながりを保持し、3)施設そのものが退所者の帰ってこられる場にし、4)児童が自ら意思表示をして他者に頼る力を育むことを入所中の支援において重視していることが明らかにされています。
 筆者は、青少年期の自立というテーマに関心をもち、実習先は児童自立支援施設に行っております。卒論では、実習先の方々にインタビューをすることになり、論文としてまとめることになりました。実習経験と卒論のテーマが結びつくことは、実習の学びを深めるだけではなく、卒論の内容も自らの実体験に基づくものとなり、学びの集大成としての卒論という点で意義があります。退所児童の問題は、深刻な社会問題となっていますので、この研究成果が少しでも問題解決の糸口につながればと思います。
キーワード1 児童自立支援施設
キーワード2 施設退所女性
キーワード3 アフターケア
キーワード4
キーワード5