学科 | 社会福祉学科 | ゼミ教員名 | 郭 芳 | 年度 | 2024年度 |
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タイトル | 認知症高齢者の自立支援の在り方 ー特別養護老人ホームの事例を通してー |
内容 | 本論文は、高齢化が進む日本社会において、認知症高齢者の自立支援を、特別養護老人ホーム(以下、特養)の事例を通じて検討したものである。特養は最も利用者数が多い高齢者施設であり、自立支援の重要な場である一方、「過剰介護」が課題となっている。過剰介護は利用者の残存能力を奪い、自立性の喪失や認知症進行を促進する要因となる。本論文では、エンパワメント支援やストレングス視点を活用し、利用者個々の「強み」を引き出すことで自立支援を促進する方法を提案する。さらに、家族や地域との連携を深め、利用者が住み慣れた環境で生きがいを持ちながら生活できる支援体制の構築が必要であると述べる。また、職員の介護姿勢の改善や認知症に対する社会的理解を進めることで、過剰介護の防止と生活の質(QOL)向上を目指す。今後の特養の目指す方向性として、今までの支援プラス、利用者本人のやる気を引き出すことを提示した。 |
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講評 | 本論文は、日本の高齢化社会における重要課題である特別養護老人ホームでの「過剰介護」に着目し、認知症高齢者の自立支援のあるべき姿を多角的に探究した点で意義深いものである。過剰介護が利用者の残存能力やADLの低下を招く問題を指摘し、エンパワメント支援や地域連携の必要性を具体的に論じた内容は、現場における実践的な指針を示している。また、過剰介護の要因分析と解決策の提示を通じて、ケアの質向上に向けた包括的な提言を行っており、現場関係者や政策立案者への有益な示唆を提供する論文と言えるだろう。 |
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キーワード1 | 認知症高齢者 |
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キーワード2 | 特別養護老人ホーム |
キーワード3 | 自立支援 |
キーワード4 | 過剰介護 |
キーワード5 | エンパワメント支援 |