学科 | 教育文化学科 | ゼミ教員名 | 奥井 遼 | 年度 | 2024年度 |
---|---|---|---|---|---|
タイトル | 児童館におけるコミュニケーション |
内容 | 本稿では、京都市の児童館でのアルバイト、ボランティア活動でみた事例をもとに、児童館で行われる異年齢間のコミュニケーション、つまり「児童館コミュニケーション」の存在を明らかにすることを目指す。これまでの先行研究では、居場所としての児童館や異年齢集団である意義について論じられてきたが、本稿ではその機能的な児童館における、子どもたちの些細な、しかし本質的なやりとりに焦点を当てる。具体的には、大学生である筆者という子どもたちにとって異質な存在を介在するによって生まれるコミュニケーションを考察する。児童館では、児童期に主要な社会集団である「仲間集団」と「異年齢集団」の両方が成立している。大人と子どもという関係性だからこそ生まれるコミュニケーションや、その集団で生まれる子どもたちの実際のやりとりを記述することによって、これまで注目されてこなかった児童館ならではのコミュニケーションの存在が明らかになるはずである。 |
---|
講評 | 子どものころ児童館に通っていた筆者が、よき思い出の詰まった場として記憶されていた児童館に改めて足を運ぶ。児童館でのボランティアを継続することで、当時感じていた魅力を改めて言語化しようとする論考である。子どもたち同士のやりとりや、大人と子どもとのやりとりに着目し、多彩なコミュニケーションのありようを描き出す。とりわけ先行研究で指摘される「活動集団」(遊びなど活動内容が結びつける仲間集団)と「交友集団」(メンバー同士の親密な繋がりによって形成される集団)との区別を元に、必ずしも区別しきれないような領域の関わりを見出し、集団の在り方がダイナミックに変わる姿に注目した。豊富な事例をもとに構成されており、子どもたちとの生き生きした様子が窺える論考である。 |
---|
キーワード1 | 児童館 |
---|---|
キーワード2 | コミュニケーション |
キーワード3 | 異年齢集団 |
キーワード4 | 仲間集団 |
キーワード5 | 子どもと大人 |