学科 | メディア学科 | ゼミ教員名 | 樋口 摩彌 | 年度 | 2024年度 |
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タイトル | 新聞メディアによる大谷翔平の表象分析からみるスポーツヒーロー像 |
内容 | 本研究は、新聞メディアにおける⼤⾕翔平選⼿のヒーロー像の形成とそのメカニズムについて考察した。主に「読売新聞」の記事を対象に、2024 年のMLB シーズン中の報道を分析した。 第1章と第2章では、打撃不振時と打撃好調時の記事を分析し、「挑戦し続ける⼤⾕翔平選⼿」という物語が強調されていることを明らかにした。第3 章と第4 章では読 者の声や投書、川柳を分析し、⼤⾕選⼿の⼈間的側⾯を強調することで、読者との感情的なつながりや⽂化的アイコンとしての位置付けを強化している点を⽰した。 考察の結果、⼤⾕選⼿は競技の成績だけでなく、⼈間性や私⽣活、⽂化的影響に焦点が当てられ、多層的なヒーロー像として描かれていた。また、メディアと読者の相互作⽤によってそのヒーロー像が形成・再構築されていることが明らかとなった。 |
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講評 | 本研究は、新聞メディアにおける大谷翔平選手のヒーロー像形成とそのメカニズムを「読売新聞」を対象に多角的に考察したものである。本論では、大谷翔平選手のヒーロー像の形成過程を、打撃不調・好調時の記事や、読者の投書・川柳の内容に基づき、論じたものである。具体的には、野球選手としての競技成績だけではなく、読者の投稿や川柳などの、多岐にわたるデータから、人間的側面や文化的影響も含めた多層的なヒーロー像が形成されていることを丁寧に分析、考察を行い、実証的に明らかにされたことは、非常に高く評価できる。とりわけ、川柳から、大谷選手がどのように理解され、ヒーローとして形成されていったか、という分析は非常に興味深い。また、メディアと読者の相互作用によるヒーロー像の再構築という視点も堅実である。すなわち、社会現象ともいえる大谷選手から、スポーツ選手のヒーロー像の形成を明らかにした、非常に有意義な論文であると言える。 |
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キーワード1 | 大谷翔平 |
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キーワード2 | ヒーロー像 |
キーワード3 | 新聞メディア |
キーワード4 | ナラティブ理論 |
キーワード5 | メディアと読者の相互作用 |