学科 | メディア学科 | ゼミ教員名 | 樋口 摩彌 | 年度 | 2024年度 |
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タイトル | メディアに煽られる若い女性の痩身理想と摂食障害との関連性について |
内容 | 本論文では、若い女性が抱く痩身理想と摂食障害との関連性を考察し、特にメディアがどのように影響を与えているかについて検討した。 まず、考察を進めるにあたり、メディアは積極的に痩せている人を起用していることを確認した。その影響は体型に対する自己評価に直結しており、過度なダイエットや摂食障害を引き起こすリスク要因の一つであることが明らかになった。 また、標準体重のほかに、美容体重やシンデレラ体重、BMIなどの数値的データを利用し、現代の「痩せ」の基準について研究したが、その多くが低体重に近いBMI18〜19を望んでいた。「美しいとされる体型」の基準が社会に蔓延する原因が、メディア媒体が痩せている人物を積極的に起用することと関連していることは確かである。 次に、メディアにより作り出された痩身理想が摂食障害を引き起こす可能性を探るため、実話から心理的および社会的構造を考察した。その結果、細すぎる体型の憧れから起こる過度なダイエットは摂食障害につながる可能性を示した。 |
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講評 | 本論文は、若い女性の痩身理想と摂食障害の関連性を、メディアの影響という視点から考察した重要な研究である。メディアが痩せた人物を積極的に起用することで、社会における“美しい体型”の基準が形成され、それが自己評価や健康に与える負の影響を明らかにしている点が評価できる。特に、美容体重やシンデレラ体重などの数値データを用い、BMI18–19という低体重が望まれる現状を具体的に分析した点は説得力がある。また、メディアによる痩身理想が摂食障害を引き起こすリスク要因となる可能性を、心理的および社会的構造の観点から検討しており、過度なダイエットがもたらす健康被害の深刻さを浮き彫りにしている。 一方で、改善点として、メディアの種類や年代別の影響力の違いについて掘り下げることで、より多角的な議論が可能だったと考えられる。また、摂食障害の予防や対策に関する具体的な提言が不足しているため、研究結果を社会に応用する視点が弱い印象を受ける。これらを補完することで、研究の実用性がさらに高まるだろう。 全体として、本研究は現代のメディア環境が若い女性の体型認識や健康に与える影響を解明し、社会的課題の重要性を示した意義深い論文である。 |
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キーワード1 | メディア |
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キーワード2 | 痩身理想 |
キーワード3 | 摂食障害 |
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