学科 | メディア学科 | ゼミ教員名 | 水出 幸輝 | 年度 | 2024年度 |
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タイトル | 『ちびまる子ちゃん』における「語り」の変遷とその効果 |
内容 | 本稿では、コミック誌『りぼん』で掲載された『ちびまる子ちゃん』のエピソードを対象に、マンガの表現手法の一つである「語り」の変化を調査した。明朝体で「四角い枠内にセリフが収まっているもの、あるいは枠がなくコマの地の部分に記されたセリフ」を「語り」とした。そして、その変化が『ちびまる子ちゃん』という作品に与えた効果について明らかにした。 本作品内の「語り」は、『ちびまる子ちゃん』がエッセイマンガからフィクションマンガへと変化する中で重要な役割を果たしている。作品の内容の変化に伴って語り⼿が変化しており、この語り⼿の変化はマンガからアニメへの展開にも機能している。さらに、「語り」の中⼼的役割が「作者の回想・語り」から「説明・ツッコミ」に変化したことが、作品のギャグ要素を強め、キャラクターの⾯⽩さを引き⽴たせる役割を果たした。 そして、内容の変化は、作者が描くことのできるストーリーの幅を広げることにつながった。 「語り」が作品に与える役割として重要な効果を持つことを本稿の調査から明らかにした。 |
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講評 | 本研究は、国民的なアニメ作品ともいえる「ちびまる子ちゃん」を分析し、その作品の特徴を明らかにしようとしたものである。「ちびまる子ちゃん」は『りぼん』で連載された作品であり、調査は雑誌が所蔵されている京都国際マンガミュージアムで行う必要があった。京都に存在するアーカイブ施設をうまく活用し、作品内の「語り」を量的、質的に検討したことは評価される。一方で、指摘される「語り」の変化が、従来確認されてきた変化と対応してしまったため、その変化の意味をより深く検討する必要があったと考えられる。 |
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キーワード1 | ちびまる子ちゃん |
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キーワード2 | 「語り」 |
キーワード3 | マンガ表現 |
キーワード4 | |
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