学科 | メディア学科 | ゼミ教員名 | 水出 幸輝 | 年度 | 2024年度 |
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タイトル | メディアミックスと原作消費 『約束のネバーランド』の実写映画化・スマホゲーム化を事例に |
内容 | 本稿では、メディアミックスにおける原作改変の問題を背景に、作品が異なる媒体で展開される際の受け手の評価や消費の変化について論じた。マンガ作品「約束のネバーランド」の実写映画とスマホゲームを事例に、受け手が何を評価の基準としているのかを調査し、その要因を考察した。 実写映画化では、受け手がキャラクターと俳優との比較を通じて原作との関係を重視し、消費している。これに対して、スマホゲーム化では、原作との比較よりもゲーム性を意識しながら消費していた。 このような消費の違いが生まれる要因として、スマホゲームの媒体特性と原作意識の関係性を明らかにした。キャラクターのデフォルメ化、リセット機能、プレイヤーの操作能力とキャラクターの戦闘能力との関係性、操作、ゲームシステムとのコミュニケーション、アップデート機能といったスマホゲームの媒体特性により、原作の作品性を薄れさせ、プレイヤーの関心をゲーム性へと向かわせている。 |
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講評 | 本研究はマンガ作品として出発した『約束のネバーランド』が、実写映画、スマホゲームへとメディア横断的に展開したことに注目し、媒体ごとの受容の差異を検討したものである。 ドラマのリメイクやアニメ、マンガの実写化は研究テーマとして浮かびやすい。また、原作改変の問題は社会でも議論されてきた。一方で、本研究の特色はスマホゲームとしての展開に注目したことにあり、その斬新な問題設定から展開される議論が魅力的な論文となっている。また、調査にあたり、映画のレビューサイトやApp Storeのレーティングとコメントを用いたが、対象となるコメントの選定手続きも慎重になされている。こうした基礎的な作業も論文を高く評価できる要素となっている。 |
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キーワード1 | メディアミックス |
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キーワード2 | 原作消費 |
キーワード3 | 約束のネバーランド |
キーワード4 | 媒体特性 |
キーワード5 | 受け手の評価 |