学科 | メディア学科 | ゼミ教員名 | 水出 幸輝 | 年度 | 2024年度 |
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タイトル | 美の規範としての二重 メディア、テクノロジー、西洋文化 |
内容 | 現代の日本では「二重のほうが美しい」という認識が支配的である。本稿は、この価値観がどのように形成され、メディアでどのように表現されてきたかを文献調査とTVガイドの表紙調査によって明らかにした。 明治維新による西洋文化の輸入や戦後のアメリカ文化の影響により、二重が美の規範として浸透し、現代に至るまで強化され続けている。さらに、デカ目コスメや写真加工技術、整形の普及が女性の二重への欲求を煽っている。 調査では、1962年から2022年のTVガイドの表紙に登場した女性のほとんどが二重であり、現代に近づくにつれ二重の割合が増加し、まぶたの均質化が進んでいることが確認された。一方で、メディアの中で一重を担っているのは個性的な役割を担う俳優や女性芸人であることが明らかになった。彼女たちが容姿いじりなどを受けて笑いの対象となることで、一重に美しさが伴わない認識が普及している可能性を指摘できる。一般女性のまぶたの傾向は、TVガイドに登場する女性たちよりも、女性芸人に類似しており、メディアの描く女性の偏りが浮き彫りになった。 |
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講評 | 本稿は、日本社会における「二重まぶた」についての認識を検討したものである。 どのように「二重のほうが美しい」と考えられるようになったのかを文献調査をもとに確認し、さらに、『TVガイド』の表紙を調査することで、テレビに登場する人びとの「まぶた」の実態を検討した。特定の役割を担う人びとが「一重」であることを明らかにし、メディアの描く社会的現実に偏りがあることを鋭く指摘している。 美醜に関する先行研究を幅広く、丁寧に検討できたこと、また、60年におよぶ期間の『TVガイド』から得られる情報を丁寧にデータ化し、分析につなげたことにより、高いレベルで論文をまとめることができた。 |
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キーワード1 | ルッキズム |
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キーワード2 | TVガイド |
キーワード3 | まぶた |
キーワード4 | 美意識 |
キーワード5 |