学科 | メディア学科 | ゼミ教員名 | 水出 幸輝 | 年度 | 2024年度 |
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タイトル | ヒーローショーと女性オタク |
内容 | 本稿では、ヒーローショーを愛好する女性オタクの姿勢やまなざしをフィールドワークとインタビューを通して分析した。ヒーローショーを愛好する女性オタクは、変身前の俳優のみを対象とするファンとは異なる嗜好をもち、既存のオタク研究やアイドルファン研究では捉えきれない領域にある。結果として、ヒーローショーを見に行く女性オタクにはアイドルファンなどに共通してみられる「オタクらしさ」が存在することが明らかになった。彼女たちはヒーローショー(=「現場」)に特別感を抱き、グッズやファッションにこだわりをもつのである。一方、ヒーローショーというコンテンツだからこそ発生する独自のまなざしも示された。これは特撮作品のヒーローショーとテレビ本編を比較した場合の「外見は共通するが演者が異なる」という差異を前提としている。そのため「本物ではないが本物である」という矛盾したまなざしや、スーツアクターの違いを視認できる「眼」が現れるのである。 |
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講評 | 本稿は、ヒーローショーを愛好する女性オタクの有り様を、フィールドワークとインタビュー調査から描きだしたものである。例えば、コンテンツとしての特撮であれば、容姿端麗な俳優をキャスティングすることで、女性人気が煽られてきた。だが、ヒーローショーの場合はテレビ本編をもとにした作品であっても、変身前の俳優は出演しない。こうした興味深いメディア経験の実態を検討した。 従来のオタク研究は男性を分析対象とすることが多い。一方で、女性を研究対象とする場合は推し活やファン研究の文脈で回収されていく。こうした研究動向を適切に把握した上で、本稿が「女性オタク」にこだわり、調査対象者を分析しきったことが、論文をユニークなものとしている。 |
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キーワード1 | ヒーローショー |
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キーワード2 | 女性 |
キーワード3 | オタク |
キーワード4 | 特撮 |
キーワード5 |