学科 | メディア学科 | ゼミ教員名 | 水出 幸輝 | 年度 | 2024年度 |
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タイトル | 〝メガネ〟による物語の生起 『あんさんぶるスターズ!!』にみる読みの可能性 |
内容 | 本稿では、男性2次元メガネキャラクターを対象に、メガネの「記号」的役割について検討した。具体的には、スマートフォン向けアプリゲーム『あんさんぶるスターズ!!』のストーリーのうち、意図的にメガネに注目させるシーンを抽出し、各メガネキャラクターの描かれ方の相違点を分析した。その結果、本作品におけるメガネは従来通り、知的なイメージのための「キャラ付け」の道具として機能するほか、〝かけているだけ〟のパターンが存在すること、そしてメガネキャラクターの〝メガネを外す〟行為が、ファンを別の〝物語〟へと誘うものとして機能する場合があることを明らかにしている。 制作側はメガネによって「キャラ立ち」を実現させた上で、敢えて〝メガネをかけていない姿〟の演出をする。この時、メガネはキャラクターのサブエピソードをリードし、引き立たせるキーアイテムと化すのである。 |
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講評 | 本稿はメディアコンテンツに描かれる〝メガネ〟の表象を、「記号論」や「データベース消費」といった議論を手がかりに紐解いたものである。一般的にメガネは「知的さ」を演出する記号であることが指摘されてきた。一方で、本稿では、物語におけるメガネへの注目が、当該キャラクターが有する〝別の物語〟を誘発するアイテムとして機能することを指摘している。こうした〝メガネ〟をめぐる物語の展開可能性が、〝メガネオタク〟たちを萌えに誘っている可能性があるだろう。 本論における議論は、適切な先行研究の整理と、丁寧な資料の読み込みに支えられている。また、なぜスマートフォン向けアプリゲーム『あんさんぶるスターズ!!』なのか、という研究対象の設定理由も適切に論じられており、「研究論文」としても高く評価できるものだった。 |
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キーワード1 | メガネ |
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キーワード2 | 記号論 |
キーワード3 | オタク文化 |
キーワード4 | ゲーム |
キーワード5 | 「あんさんぶるスターズ!!」 |