学科 | 社会学科 | ゼミ教員名 | 藤本 昌代・池田 梨恵子 | 年度 | 2024年度 |
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タイトル | 大学のランニングサークルに所属する人の意識 |
内容 | 近年、ランニングは非常に人気のある健康促進活動になっている。都市部の公園や街中でランニングをする人々の姿を目にすることが増えている。ランニングは時間や場所を選ばずに行えるため、忙しい現代人にとって非常に取り組みやすい運動である。現代の若者が集団でランニングを行う背景には、個人の健康維持や運動習慣の確立に加え、社会的な動機や精神的な利点が含まれていると考えられる。本研究は、大学のランニングサークルを事例に、若者がなぜランニングサークルに参加するのか、その背後にある動機や価値観を明らかにする。具体的には、若者のランニングサークルに参加する意義や、ランニングサークルにおける若者のつながりを明らかにする。調査の結果、参加者の背景によってサークル参加動機が異なり、陸上経験者の場合はランニングへの純粋な愛好や人間関係の重要性が主な動機である。一方、陸上未経験者は新たな友人を作る手段としてのサークル活動の魅力や、社会的なつながりの確保が主な動機となっている。参加者は、身体的価値、社交的価値、自己成長志向の三つの価値を見出していた。また、サークル活動が持つ社会的つながりの意義や心理的な安定を提供する役割も確認され、サークル活動は成員にとって重要なコミュニティ形成の手段となっていることが明らかとなった。サークル活動は、体力向上や社会的交流の促進に加え、自己成長、精神的サポート、コミュニティの形成など、多面的な価値を提供していることが明らかになった。 |
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講評 | 池田・藤本ゼミの卒業論文は、個々の学生の興味関心を反映したテーマについて、研究・執筆が行われました。13名のゼミ生の卒論のテーマは、①京都市のDVの実態と支援、②ハラール対応飲食店、③子どもの習い事の格差、④大学生のポジティブな休学、⑤大学生の留年・中退、⑥海外での日本人留学生の就労、⑦日本企業におけるAI技術開発の推移、働く場におけるAI導入の影響(⑧運輸業・⑨製造業における需要予測)、⑩部活における組織改革の影響、⑪学生のサークル参加への意識、⑫社会人野球選手のキャリア、⑬家族経営の農業におけるジェンダー変遷、という多様なテーマになっています。また、3年生の社会調査実習で取り組んだテーマを発展させて卒論のテーマを設定した学生も3名いました。調査方法についても、インタビュー調査や参与観察、資料分析、量的データの二次分析まで様々な調査方法や複数の調査方法を組み合わせて、調査に取り組みました。 全体的に卒論を進み具合が2極化したことで、完成度に差が見られました。早い進度のグループは、広く文献を捕虜し整理できていました。また、分析や考察にもじっくり取り組んだことで、完成度の高い論文になっていました。遅いグループの研究も、それぞれの研究で興味深い事例や新しい知見の提示がなされていましたが、既存の研究の整理と問いの設定のつながりが曖昧になっていたり、既存の研究の中に調査結果を位置づけられていない論文もあり、もう少し早く取り組むことでより完成度が高められたのではないかと思います。 問いを立て、調査を行い、論文を書き上げる過程は、決して簡単なことではなかったと思いますが、ゼミ生がお互いに励まし合いながら、最後まで全員が粘り強く完成に向けて努力したことを高く評価しています。この経験が今後のみなさんに役立つよう願っています。 |
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