卒業論文詳細

学科社会学科 ゼミ教員名立木 茂雄 年度2024年度
タイトル大学生オーケストラサークルにおける規範からの逸脱と単位取得
内容  4年間大学生オーケストラサークルに所属する筆者の経験から、大学生オーケストラサークルという社会集団の複雑性と、その社会にある規範や暗黙のルールからの逸脱行動の発生要因に関して研究したいと考えた。本稿では、楽団内の逸脱行動に影響を及ぼしていると考えられる「楽団への関与度」「練習に対する意識」「音楽性への追求」「人間関係」の4つの独立変数に加えて、楽団内のセクション、単位取得との関係に注目し、それらの関係性を明らかにすることを目的とした。
 調査はGoogle Formsを用いて行い、SPSSにて分析を行った。加えて、楽団練習の優先度を測定するため、アルバイト、学業、プライベートとそれぞれ一対比較を行い、双対尺度法を用いて分析を行った。
 結果として、練習面における逸脱行動と、楽団運営における逸脱行動でそれぞれ異なる要因があることが分かった。
講評 筆者は、3回生ゼミに進学した時から逸脱行動研究に高い関心をもっており、卒業論文研究でも実証的な社会調査を行いたいと考えていました。オーケストラの団員として4年間を過ごしてきた経験から、「扱う楽器の違いがクラブや学業における逸脱行動に差違を生むのか」、「楽器を問わずクラブにのめり込むと学業がおろそかになるのか」というユニークなリサーチ・クエスチョンを立て、全国5つの大学オーケストラ関係者123名から有効回答を得て分析を進めました。結果としては楽器の種類と逸脱行動には関係が見られなかったのに対して、部活と学業の関係については、むしろ「部活に身が入っていない人は学業成績も低くなる」という想定外の結果を発見しました。これは、オーケストラで楽器やクラブマネジメントを頑張ってきた寺田さんの卒論研究の完成度を見ても、「練習に対してまじめな人,規範意識の高い人は,学業の面でも規範意識は高い」ということが支持される結果になったと思います。
キーワード1 逸脱行動
キーワード2 学生オーケストラ
キーワード3 単位取得
キーワード4
キーワード5