卒業論文詳細

学科社会学科 ゼミ教員名立木 茂雄 年度2024年度
タイトルママ友の友好度とSNSの関連性について
内容  この論文では現在0~6歳の子どもを育てる母親たちが、ママ友を作る際にSNSと対面式での出会いどちらを重要視しているのか、またその出会いの場への重視度はママ友同士の関係性にどのくらい影響を与えているのかについて研究した。これまでのママ友に関する研究ではSNSが普及される前の調査しかなく、ママ友だけでなく社会全体で人間関係をSNS上で広げていくことが普及してきた現代の感覚をもった世代が調査対象者となっていなかった。SNSが普及し様々な人との出会い方が増えてきた今では、その出会い方によって友好度に差が生じる可能性はないだろうか。
 本研究では、SNSが普及する前のママ友の関係における特徴を探る研究を先行研究とし、母親には「個としての自分」と「母親としての役割をもつ自分」の2つの自己があることを踏まえて、現代の子どもを育てる母親を対象に調査を行った。その結果、SNSが普及した現代で母親たちは普段からSNSを利用しているにも関わらず、ママ友を作る際は実際に顔を合わせる対面式での出会いを求める母親がほとんどであるという事がわかった。またこの出会いの場所への重視度は、友好度とはあまり関連が無く、母親の性格や生活に関連性が見られることが明らかにすることができた。
講評 筆者は、子どもを育てる母親たち同士がどのようにして人間関係を形成しているのかに強い関心をもち、3回生の秋学期から先行研究の展望を始めました。親同士のつながり方でソーシャルメディアと対面の出会いのどちらに重きを置くのかが、母親同士の友好度、コミュニケーション、母親の性格や生活と、どのように関連するのかというリサーチ・クエスチョンを立てて、実際に子育て中の母親90名から有効回答を得ることができました。この調査の一番の発見は、母親達は普段から情報収集でソーシャル・メディアを活用しているにもかかわらず、ママ友づくりでは圧倒的多数が対面での出会いを重視していたことでした。地域の保育園からの協力をえるために、丁寧な説明を行い、調査票の配布や回収にもサポートをして頂きました。これらの努力も全て対面で行われたことを踏まえると、互酬的な関係の基礎にはやはり対面でのコミュニケーションがあることが伺える立派な実証的社会調査が行えたと思います。
キーワード1 ママ友
キーワード2 母親
キーワード3 SNS
キーワード4 友好度
キーワード5