卒業論文詳細

学科社会福祉学科 ゼミ教員名永田 祐 年度2024年度
タイトル安全かつ安心な保護司制度を実現する
内容 令和6年、滋賀県大津市で保護司が自宅で殺害される事件が起きた。これを受けて、本論文は、保護司が安心してその活動を続けていくには、何が必要であるかを考察したものであり、誰ひとり被害者にも加害者にもなることのない安全な地域社会の様相を「持続可能な保護司制度の確立」の視点から提示することを目的としたものである。論文、政府刊行物やアンケート調査の結果等の検討を通じて、再犯者率の高いわが国において、様々な背景を抱える犯罪者・非行少年の立ち直りの最も身近な存在であり、また地域の思いによって受け継がれてきた保護司制度のこれからの活動のしやすさは、専門職等との密な連携による精神的負担の軽減や、広報・啓発活動による地域住民の理解の促進、更生に携わるという当事者意識の醸成による保護司の孤立防止が重要になると結論付けた。
講評 保護司制度は、日本の更生保護制度において非常に重要な役割を果たしてきました。しかしながら、保護司の高齢化、負担の大きさ、さらには他の支援関係機関との連携の不足などから、保護司制度そのもののあり方も問われるようになっています。論文では、このような現状を踏まえながらも、保護司制度が犯罪者・非行少年の立ち直りにとって不可欠な仕組みであることを確認し、その継続に必要な体制整備のあり方を明らかにしました。特に、保護司の多くが責任感が強く、課題を抱え込みやすい傾向があることから、「保護司の孤立防止」の必要性という観点は、今後の制度の継続性に向けて重要な指摘であるといえます。
キーワード1 保護司制度
キーワード2 更生保護
キーワード3
キーワード4
キーワード5