卒業論文詳細

学科メディア学科 ゼミ教員名竹内 幸絵 年度2024年度
タイトルディズニー・プリンセスの主体的な人物像への変化—アニメ版『アラジン』(1992)と実写版『アラジン』(2016)を比較して—
内容 本稿は、『アラジン』のアニメ版と実写版を比較することによって、ディズニー・プリンセスが主体的な人物像へと変化したのかを明らかにすることを目的としている。ここで、プリンセスの主体的な人物像への変化とは、時代を追うごとにプリンセスがより活発に、男性的に描かれるよう変化したことを指す。また既存の先行研究では、ディズニー・プリンセスの各作品を比較することによってこの変化は指摘されているが、同一作品の比較によっては未だ明らかにされていない。本研究は、上瀬・佐々木(2016)の研究を一部活用し、男性性を示す「作動性」と女性性を示す「共同性」という2つの概念を用いて、当該作品の定量的・質的な分析を行った。結果、『アラジン』のプリンセス・ジャスミンが、実写版においてより活発に、男性的に描かれるよう変化していることを確認した。したがって、同一作品の比較によってもプリンセスの主体的な人物像への変化を示すことができた。
講評 ディズニーのプリンセス像は時代を追うごとに主体性をもって描かれている。この指摘に関しては近年多くの分析がなされている。本論の独自性は、四半世紀の時間差がある同じ物語のアニメ版と実写版を研究対象として、プリンセス像の変化を定量的に分析した点にある。方法論は先行研究(上瀬ら2016、立正大学心理学研究年報7)の手法を参照し、プリンセスの「作動性」「共同性」を抽出し、両映画を数値化した。例えば話す時間、攻撃行動シーンの数と内容、援助行動(アラジン=ジャスミン間)などを量的分析した。筆者は必要を認めた点に対して質的分析も行った。テーマ設定、対象の選定、方法論の確定と実施、質的分析の追加など、過不足なくスマートで無駄のない構造を持つ、卒論を書こうとする学生が参考にしやすい論文である。
キーワード1 アラジン
キーワード2 プリンセスの主体的な変化
キーワード3 作動性
キーワード4 共同性
キーワード5